新年1発目がこんなネタ。すまない、去年は余りにも時間がなかったんだ……
2012-01-05 Thu 15:00
裕也「……………」

アキラ「……………」

裕也の場:パーフェクトライザー(ヴァンガード)、ハイパワードライザーカスタム×2(前列)、バトルライザー(Pライザーの後列)

手札:3

ダメージ:5


パーフェクトライザー

グレード:3 スキル:ツインドライブ!!

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:ノヴァグラップラー 種族:バトロイド

シールド:− 国家:スター・ゲート

パワー:11000 クリティカル:1

永【V/R】:あなたの、VかRに、他のカード名に「ライザー」を含むカードがいないなら、このユニットのパワー−2000。
永【V】:あなたのターン中、あなたのソウルのカード名に「ライザー」を含むカード1枚につき、このユニットのパワー+3000。
永【V】:あなたのターン中、あなたのソウルのカード名に「ライザー」を含むカードが4枚以上なら、このユニットのクリティカル+1。
自:このユニットがVに登場した時、あなたのカード名に「ライザー」を含むリアガードをすべてソウルに置く。


ハイパワードライザーカスタム

グレード:2 スキル:インターセプト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:ノヴァグラップラー 種族:バトロイド

シールド:5000 国家:スター・ゲート

パワー:8000 クリティカル:1

永【V/R】:あなたのターン中、このユニットと同じ縦列の後列にあなたの「バトルライザー」がいるなら、このユニットのパワー+8000。


バトルライザー

グレード:0 スキル:ブースト

種別:トリガーユニット トリガー:醒+5000

クラン:ノヴァグラップラー 種族:バトロイド

シールド:10000 国家:スター・ゲート

パワー:3000 クリティカル:1

自:他の《ノヴァグラップラー》がこのユニットにライドした時、このカードをRにコールしてよい。
自【R】:このユニットがブーストした時、そのバトル中、ブーストされたユニットのパワー+3000し、そのターンのエンドフェイズ開始時、このユニットを山札に戻し、その山札をシャッフルする。


アキラの場:ファントム・ブラスター・ドラゴン(ヴァンガード)、ブラスター・ジャベリン(F・B・Dの後列)

手札:4

ダメージ:5

ファントム・ブラスター・ドラゴン

グレード:3 スキル:ツインドライブ!!

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:シャドウパラディン 種族:アビスドラゴン

シールド:− 国家:ユナイテッド・サンクチュアリ

パワー:10000(現在11000) クリティカル:1

永【V】:あなたのソウルに「ブラスター・ダーク」があるなら、このユニットのパワー+1000。
起【V】:[CB(2)、あなたの《シャドウパラディン》のリアガードを3枚選び、退却させる]そのターン中、このユニットのパワー+10000/クリティカル+1。


ブラスター・ジャベリン

グレード:1 スキル:ブースト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:シャドウパラディン 種族:ヒューマン

シールド:5000 国家:ユナイテッド・サンクチュアリ

パワー:6000 クリティカル:1

永【V】:あなたのソウルに「フルバウ」があるなら、このユニットのパワー+2000。
自:[あなたの手札からグレード3の《シャドウパラディン》を1枚選び、捨てる]このユニットがRに登場した時、コストを払ってよい。払ったら、あなたの山札から「ファントム・ブラスター・ドラゴン」を1枚まで探し、相手に見せ、手札に加え、その山札をシャッフルする。


アキラ「俺のスタンド&ドロー。髑髏の魔女 ネヴァンをコール。ネヴァンのカウンターブラスト。手札を1枚捨てて2枚ドロー。暗黒魔導師 バイヴ・カーをコール。スキルでデッキの一番上を確認し、シャドウパラディンならリアにスペリオルコールする。コールしたのは同じくバイヴ・カー。よってスキル発動。アビス・フリーザーをスペリオルコール。
 さらにF・B・Dのカウンターブラスト。場のネヴァン、バイヴ・カー、ブラスター・ジャベリンを退却し、パワー+10000とクリティカル+1。さらにグリム・リーパー、秘薬の魔女 アリアンロッド、魔界城 ドンナーシュラークをコール。再びF・B・Dのカウンターブラスト。グリム・リーパー、アリアンロッド、バイヴ・カーを退却しさらにパワー+10000とクリティカル+1だ」


髑髏の魔女 ネヴァン

グレード:2 スキル:インターセプト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:シャドウパラディン 種族:エルフ

シールド:5000 国家:ユナイテッド・サンクチュアリ

パワー:3000 クリティカル:1

自:[CB(1)、あなたの手札から《シャドウパラディン》を1枚選び、捨てる]このユニットがRに登場した時、あなたの《シャドウパラディン》のヴァンガードがいるなら、コストを払ってよい。払ったら、2枚引く。


暗黒魔導師 バイヴ・カー

グレード:3 スキル:ツインドライブ!!

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:シャドウパラディン 種族:エルフ

シールド:− 国家:ユナイテッド・サンクチュアリ

パワー:9000 クリティカル:1


アビス・フリーザー

グレード:0 スキル:ブースト

種別:トリガーユニット トリガー:引+5000

クラン:シャドウパラディン 種族:エンジェル

シールド:5000 国家:ユナイテッド・サンクチュアリ

パワー:5000 クリティカル:1


グリム・リーパー

グレード:0 スキル:ブースト

種別:トリガーユニット トリガー:☆+5000

クラン:シャドウパラディン 種族:デーモン

シールド:10000 国家:ユナイテッド・サンクチュアリ

パワー:5000 クリティカル:1


秘薬の魔女 アリアンロッド

グレード:1 スキル:ブースト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:シャドウパラディン 種族:エルフ

シールド:5000 国家:ユナイテッド・サンクチュアリ

パワー:7000 クリティカル:1

起【V/R】:[このユニットをレストする、あなたの手札から1枚選び、捨てる]1枚引く。


魔界城 ドンナーシュラーク

グレード:2 スキル:インターセプト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:シャドウパラディン 種族:ゴーレム

シールド:5000 国家:ユナイテッド・サンクチュアリ

パワー:10000 クリティカル:1

永【V/R】:あなたのVに、「ファントム・ブラスター・ドラゴン」か「ブラスター・ダーク」がいないなら、このユニットのパワー−5000。
自【V/R】:このユニットがアタックした時、そのバトル中、このユニットのパワー+2000。

裕也「31000にクリティカル3って、おい!?」

アキラ「さっきのドライヴチェックでMr.インビシブルとキング・オブ・ソードを引いたのは分かっている。インターセプトで合計15000のシールド。残り1枚が仮にトリガーとしても合計25000の壁が出来る。が、お前はドンナーシュラークを絶対に防ぐ必要があるため1枚を犠牲にする。敢えて言わせてもらおう……これがファイナルターンだ。ドンナーシュラークでヴァンガードにアタック!」

裕也「キング・オブ・ソードでガード!」

アキラ「そう来る事は読めていた! これで終わりにするぞ、F・B・D! シャドウ・イロージョン!」

裕也「ハイパワードライザーカスタム2体でインターセプト! さらにレッド・ライトニングでガード!」

アキラ「読み通りだな。チェック・ザ・ドライブトリガー。ファーストチェック……ブラスター・ダーク。セカンドチェック……ゲット。ドロートリガー。パワーはF・B・Dに与える――俺の勝ちだ」


裕也「ぬあー! カウンターブラスト1回だけなら凌げたってーのに!」

アキラ「残念だったな。今度も俺の勝ちだ」

カイン「……本気だしたらヤバイのってアキラだったな」

マユラ「うん。遊戯王じゃ負ける回数が多いけどヴァンガードはダントツで勝ち数多いよね。裕也くんが勧めたら「じゃあ本気出して取り組んでやる」って言った結果がこれだよ。シャドウパラディンとダークイレギュラーズ使って連戦連勝だよ」

裕也「くそう……このパーフェクトライザーデッキ弱くないはずなのに」

アキラ「弱くは無い。が、致命的な弱点がある。バトルライザーを退却させられると建て直しに時間が掛かるからその間に攻めきればいい。お前のそのトリガーはスタンド8にヒール、ドロー4だったか? 俺なら敢えて……」

シア「今じゃヴァンガードに冠してはアーくんのほうが詳しいよね〜」

ネリネ「以前だとお兄さまが裕也さまに教わる立場でしたけど……ヴァンガードでは逆になってますね」

カイン「元々広めたのがマユラとは言え、ヴァンガードだとどういうわけかアキラとマユラがトップ争いしているからな」

マユラ「あはは〜。ごめんねぇ? 強くってさぁ!」

カイン「どこのアウルだよ……まあマユラの使うオラクルシンクタンクは強いんだがな。裕也の使うノヴァグラップラーや俺の使うかげろうは下のほうで争ってるよどうせ」

マユラ「大丈夫だよ、オラクルは今強すぎた反動で強化されてないし。アキラくーん、私とファイトしよー」

カイン「……どこでどう間違ったんだ。まあい……いわけはないんだけどな。裕也、俺たちもやるか?」

裕也「おーう。俺たちは2人で寂しく低レベルな争いしてようぜ……」

アキラ「なに腐ってるんだお前たち……スタンドアップ・ザ・ヴァンガード」

マユラ「私のファーストヴァンダードは神鷹 一拍子!」

アキラ「俺はフルバウだ」


神鷹 一拍子

グレード:0 スキル:ブースト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:オラクルシンクタンク 種別:ハイビースト

シールド:10000 国家:ユナイテッド・サンクチュアリ

パワー:5000 クリティカル:1

自【V】:あなたのライドフェイズ開始時、あなたの山札の上から5枚見て、「三日月の女神 ツクヨミ」を1枚まで探し、ライドし、残りのカードを山札の下に好きな順番で置く。ライドしたら、そのライドフェイズ中、あなたはノーマルライドできない。


フルバウ

グレード:0 スキル:ブースト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:シャドウパラディン 種別:ハイビースト

シールド:10000 国家:ユナイテッド・サンクチュアリ

パワー:5000 クリティカル:1

自:「ブラスター・ジャベリン」がこのユニットにライドした時、あなたの山札から「ブラスター・ダーク」を1枚まで探し、相手に見せ、手札に加え、その山札をシャッフルする。


裕也「どうしてこうなった……話変わるけどアキラ、お前新弾の双剣覚醒予約したか?」

アキラ「ああ。10箱ほどな」

カイン&裕也「10!?」

アキラ「シャドウパラディンも強化されるからな。クリティカルトリガーも追加されるらしいし、ようやくブラスター重視のクリティカル重視攻撃特化型が作れる」

裕也「金がある奴が本気出すとマジパネェ……オアシス・ガールのブースト。ジェノサイド・ジャックでヴァンガードにアタック」

カイン「おまけに負けず嫌いだしな……ノーガードだ」

裕也「ドライブトリガーチェック……ゲット。クリティカルトリガー。パワーはNGMプロトタイプに、クリティカルはジャックに与える」

カイン「相変わらずそのクリティカル特化型は平気でクリティカルがやってくるから恐ろしい……よし、ヒールトリガーゲット。ダメージを1回復だ」

裕也の場:ジェノサイド・ジャック(ヴァンガード)、NGMプロトタイプ(前列)、オアシス・ガール(ジェノサイド・ジャックの後列)

手札:5

ダメージ:3


ジェノサイド・ジャック

グレード:2 スキル:インターセプト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:ノヴァグラップラー 種別:バトロイド

シールド:5000 国家:スター・ゲート

パワー:11000 クリティカル:1

永【V/R】:拘束(このユニットはアタックできない。)
起【V/R】:[CB(1)]そのターン中、このユニットは『拘束』を失う。
自【V】:このユニットが《ノヴァグラップラー》にブーストされた時、そのバトル中、このユニットのパワー+5000。


NGMプロトタイプ

グレード:2 スキル:インターセプト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:ノヴァグラップラー 種別:バトロイド

シールド:5000 国家:スター・ゲート

パワー:8000 クリティカル:1

自:このユニットがインターセプトした時、あなたの《ノヴァグラップラー》のヴァンガードがいるなら、そのバトル中、このユニットのシールド+5000。


オアシス・ガール

グレード:1 スキル:ブースト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:ノヴァグラップラー 種別:ワーカロイド

シールド:5000 国家:スター・ゲート

パワー:7000 クリティカル:1

起【V/R】:[CB(1)]そのターン中、このユニットのパワー+1000。


カインの場:アンバー・ドラゴン“黄昏”(ヴァンガード)、ラーヴァアーム・ドラゴン(前列)、リザードソルジャー ラオピア(“黄昏”の後列)

手札:5

ダメージ:4


アンバー・ドラゴン“黄昏” 

グレード:2 スキル:インターセプト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:かげろう 種別:フレイムドラゴン

シールド:5000 国家:ドラゴン・エンパイア

パワー:9000(現在10000) クリティカル:1

永【V】:あなたのソウルに「アンバー・ドラゴン“白日”」があるなら、このユニットのパワー+1000。
自【V】:このユニットがヴァンガードにアタックした時、そのバトル中、このユニットのパワー+2000。


ラーヴァアーム・ドラゴン

グレード:2 スキル:インターセプト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:かげろう 種別:フレイムドラゴン

シールド:5000 国家:ドラゴン・エンパイア

パワー:10000 クリティカル:1

永【V/R】:あなたのVに、「アンバー・ドラゴン“蝕”」か「アンバー・ドラゴン“黄昏”」がいないなら、このユニットのパワー−5000。
自【V/R】:このユニットがアタックした時、そのバトル中、このユニットのパワー+2000。


リザードソルジャー ラオピア

グレード:1 スキル:ブースト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:かげろう 種別:ドラゴンマン

シールド:5000 国家:ドラゴン・エンパイア

パワー:6000 クリティカル:1

自【R】:このユニットが《かげろう》のヴァンガードをブーストした時、相手のリアガードが2枚以下なら、そのバトル中、ブーストされたユニットのパワー+4000。


マユラ「うわ、アキラくん10箱も予約したんだ。大体5万近くなるんじゃないの?」

アキラ「5万なら安い買い物だな。食費に比べれば……」

マユラ「あ……うん。なんかごめん。お天気お姉さん みるくでブーストした半月の女神 ツクヨミでヴァンガードにアタック!」

アキラ「気にするな。事実だからな。ダークサイド・トランペッターでガードだ」

マユラ「ドライブチェック……残念、無しだよ」

マユラの場:半月の女神 ツクヨミ(ヴァンガード)、ダークキャット(前列)、お天気お姉さん みるく(ヴァンガードの後列)、三日月の女神 ツクヨミ(ダークキャットの後列)

手札:6

ダメージ:4


半月の女神 ツクヨミ

グレード:2 スキル:インターセプト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:オラクルシンクタンク 種族:ノーブル

シールド:5000 国家:ユナイテッド・サンクチュアリ

パワー:9000 クリティカル:1

自:このユニットがVに登場した時、あなたのソウルに「三日月の女神 ツクヨミ」と「神鷹 一拍子」があるなら、SC(2)してよい。
自【V】:あなたのライドフェイズ開始時、あなたの山札の上から5枚見て、「満月の女神 ツクヨミ」を1枚まで探し、ライドし、残りのカードを山札の下に
好きな順番で置く。ライドしたら、そのライドフェイズ中、あなたはノーマルライドできない。


ダーク・キャット

グレード:1 スキル:ブースト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:オラクルシンクタンク 種族:ハイビースト

シールド:5000 国家:ユナイテッド・サンクチュアリ

パワー:7000 クリティカル:1

自:このユニットがVかRに登場した時、あなたの《オラクルシンクタンク》のヴァンガードがいるなら、すべてのプレイヤーは1枚引いてよい。


お天気お姉さん みるく

グレード:1 スキル:ブースト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:オラクルシンクタンク 種族:シルフ

シールド:5000 国家:ユナイテッド・サンクチュアリ

パワー:6000 クリティカル:1

自【R】:このユニットが《オラクルシンクタンク》のヴァンガードをブーストした時、あなたの手札が4枚以上なら、そのバトル中、ブーストされたユニットのパワー+4000。


三日月の女神 ツクヨミ

グレード:1 スキル:ブースト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:オラクルシンクタンク 種族:ノーブル

シールド:5000 国家:ユナイテッド・サンクチュアリ

パワー:7000 クリティカル:1

自【V】:あなたのライドフェイズ開始時、あなたの山札の上から5枚見て、「半月の女神 ツクヨミ」を1枚まで探し、ライドし、残りのカードを山札の下に好きな順番で置く。ライドしたら、そのライドフェイズ中、あなたはノーマルライドできない。


アキラの場:ブラスター・ダーク(ヴァンガード)、グルルバウ(前列)、秘薬の魔女 アリアンロッド(ブラスター・ダークの後列)

手札:5

ダメージ:3


ブラスター・ダーク

グレード:2 スキル:インターセプト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:シャドウパラディン 種族:ヒューマン

シールド:5000 国家:ユナイテッド・サンクチュアリ

パワー:9000(現在10000) クリティカル:1

永【V】:あなたのソウルに「ブラスター・ジャベリン」があるなら、このユニットのパワー+1000。
自:[CB(2)]このユニットがVに登場した時、コストを払ってよい。払ったら、相手のリアガードを1枚選び、退却させる。


グルルバウ

グレード:1 スキル:ブースト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:シャドウパラディン 種族:ハイビースト

シールド:5000 国家:ユナイテッド・サンクチュアリ

パワー:7000 クリティカル:1

自【R】:このユニットがヴァンガードにアタックした時、あなたの《シャドウパラディン》のヴァンガードがいるなら、そのバトル中、このユニットのパワー+2000。


アキラ「スタンド&ドロー。呪われし竜よ、闇より出でて邪悪な力を振るえ……ライド・ザ・ヴァンガード! ファントム・ブラスター・ドラゴン!」

マユラ「来たね……でもこっちの手札は6枚。簡単には通さないよ!」

アキラ「分かっているさ。漆黒の乙女 マーハをコール。同時にカウンターブラスト。同じ縦列のリアにグレード1以下のシャドウパラディンをコール。俺は黒の賢者 カロンをコール。さらにグルルバウを下げ、銀槍の魔神 グシオンをコール。カロンの支援を受けたマーハでダークキャットにアタック」


漆黒の乙女 マーハ

グレード:2 スキル:インターセプト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:シャドウパラディン 種族:ヒューマン

シールド:5000 国家:ユナイテッド・サンクチュアリ

パワー:8000 クリティカル:1

自:[CB(2)]このユニットがVかRに登場した時、あなたの《シャドウパラディン》のヴァンガードがいるなら、コストを払ってよい。払ったら、あなたの山札からグレード1以下の《シャドウパラディン》を1枚まで探し、このユニットと同じ縦列のRにコールし、その山札をシャッフルする。


黒の賢者 カロン

グレード:1 スキル:ブースト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:シャドウパラディン 種族:ヒューマン

シールド:5000 国家:ユナイテッド・サンクチュアリ

パワー:8000 クリティカル:1


銀槍の魔神 グシオン

グレード:2 スキル:ツインドライブ!!

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:シャドウパラディン 種族:デーモン

シールド:− 国家:ユナイテッド・サンクチュアリ

パワー:10000 クリティカル:1

起【V/R】:[CB(2)]そのターン中、このユニットのパワー+4000。


マユラ「それは受けるよ」

アキラ「アリアンロッドのブースト。F・B・Dでヴァンガードにアタック」

マユラ「ここはノーガード!」

アキラ「チェック・ザ・ドライブトリガー……ファーストチェック。ゲット、スタンドトリガー。マーハをスタンドしパワー+5000。セカンドチェック……無し。続けてマーハでアタック」

マユラ「ドリーム・イーターでガード!」

アキラ「グルルバウのブースト。グシオンでアタック」

マユラ「オラクルガーディアン ニケでガード!」

裕也「良くセイバーが許したな、そんな大量購入」

アキラ「翠屋のケーキで餌付けした」

カイン「……時々疑いたくなるんだが、本当に騎士王だよな? 彼女」

アキラ「正真正銘騎士王アーサー王だ。エクスカリバー見せてもらうか?」

カイン「遠慮しておく。アンバー・ドラゴン“蝕”のカウンターブラスト。このユニットのアタックがヴァンガードにヒットした時、相手のリアガードを2枚まで選び退却させる。鎧の化身 バーでブーストしたベリコウスティドラゴンでNGMプロトタイプにアタックだ」

裕也「それは受けるさ!」

カイン「ドラゴンモンク ゴジョーの支援を受けたガーネットドラゴン“閃光”でヴァンガードにアタック!」

裕也「武闘戦艦 プロメテウスでガード!」

カイン「希望の火 エルモのブースト。“蝕”でヴァンガードにアタック! エターナル・イクリプス!」

裕也「ここが山場だ……シャイニング・レディ、デスアーミー・ガイでガード!」

カイン「ドライブチェック……ゲット。ドロートリガー。1枚引き、パワーは“蝕”へ! セカンドチェック!……なかったか。ターンエンドだ」

カインの場:アンバー・ドラゴン“蝕”(ヴァンガード)、ベリコウティスドラゴン(前列)、ガーネットドラゴン“閃光”(前列)、希望の火 エルモ(“蝕”の後列)、鎧の化身 バー(ベリコティウスドラゴンの後列)、ドラゴンモンク ゴジョー(“閃光”の後列)

手札:3

ダメージ:5


アンバー・ドラゴン“蝕”

グレード:3 スキル:ツインドライブ!!

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:かげろう 種族:フレイムドラゴン

シールド:− 国家:ドラゴン・エンパイア

パワー:10000(現在11000) クリティカル:1

永【V】:あなたのソウルに「アンバー・ドラゴン“黄昏”」があるなら、このユニットのパワー+1000。
起【V】:[CB(2)]そのターン中、このユニットは『自【V】:このユニットのアタックがヴァンガードにヒットした時、相手のリアガードを2枚まで選び、退却させる。』を得る。


ベリコウティスドラゴン

グレード:2 スキル:インターセプト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:かげろう 種族:フレイムドラゴン

シールド:5000 国家:ドラゴン・エンパイア

パワー:9000 クリティカル:1

自【V/R】:このユニットのアタックがヴァンガードにヒットした時、あなたの《かげろう》のヴァンガードがいれば、あなたのダメージゾーンから1枚選び、表にする。


ガーネットドラゴン“閃光”

グレード:3 スキル:ツインドライブ!!

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:かげろう 種族:フレイムドラゴン

シールド:− 国家:ドラゴン・エンパイア

パワー:9000 クリティカル:1

自【V/R】:このユニットのアタックがヴァンガードにヒットした時、あなたの《かげろう》を1枚選び、そのターン中、パワー+3000。


希望の火 エルモ

グレード:1 スキル:ブースト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:かげろう 種族:フレイムドラゴン

シールド:5000 国家:ドラゴン・エンパイア

パワー:6000 クリティカル:1

自【R】:[あなたの手札から1枚選び、捨てる]このユニットがブーストしたバトル中、アタックがヒットした時、コストを払ってよい。払ったら、1枚引く。


鎧の化身 バー

グレード:1 スキル:ブースト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:かげろう 種族:デーモン

シールド:5000 国家:ドラゴン・エンパイア

パワー:8000 クリティカル:1


ドラゴンモンク ゴジョー

グレード:1 スキル:ブースト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:かげろう 種族:デーモン

シールド:5000 国家:ドラゴン・エンパイア

パワー:7000 クリティカル:1

起【V/R】:[このユニットをレストする、あなたの手札から1枚選び、捨て
る]1枚引く。


裕也の場:究極生命体 コスモロード(ヴァンガード)、オアシスガール(コスモロードの後列)、デスアーミー・ガイ×2(後列)

手札:1

ダメージ:5


究極生命体 コスモロード

グレード:3 スキル:ツインドライブ!!

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:ノヴァグラップラー 種族:エイリアン

シールド:− 国家:スター・ゲート

パワー:10000 クリティカル:1

起【V】:[あなたの《ノヴァグラップラー》のリアガードを1枚選び、レストする]そのターン中、このユニットのパワー+3000。


デスアーミー・ガイ

グレード:1 スキル:ブースト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:ノヴァグラップラー 種族:バトロイド

シールド:5000 国家:スター・ゲート

パワー:7000 クリティカル:1

自【R】:あなたのヴァンガードのドライブチェックでグレード3の《ノヴァグラップラー》がでた時、このユニットをスタンドする。


裕也「俺のスタンド&ドロー!(これまで出たクリティカルは6枚……あと6枚はデッキに眠っているか)なら、ここが勝負どころ! オアシスガールのカウンターブラスト! パワーを+5000! さらにデスアーミー・レディを2体コール! コスモロードのスキル発動! リアガード1体レストするごとにパワー+3000! 俺はデスアーミー・レディ、デスアーミー・ガイをレスト。+12000アップし、パワーは22000! これで終わらせる! オアシスガールのブースト、コスモロードでヴァンガードに攻撃!」


デスアーミー・レディ

グレード:2 スキル:インターセプト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:ノヴァグラップラー 種族:バトロイド

シールド:5000 国家:スター・ゲート

パワー:9000 クリティカル:1

自【R】:あなたのヴァンガードのドライブチェックでグレード3の《ノヴァグラップラー》がでた時、このユニットをスタンドする。


カイン「合計が37000とか……絶対に防ぐに決まっている! ベリコティウスドラゴンのインターセプト! さらにガトリングクロー・ドラゴン、ドラゴンモンク ゲンジョウ、槍の化身 ターでガードだ!」

裕也「ツインドライブ……ファーストチェック、無し。セカンドチェック――ッ! Mr.インビシブルゲット! デスアーミー・レディ、デスアーミー・ガイのスキル発動! ドライブチェックでG3を引いた時スタンドする!」

カイン「なっ……!」

裕也「貰った! ガイのブーストを受けたレディでヴァンガードにアタック!」

カイン「……ダメージチェック。無理だ、凌ぎきれない」

裕也「よっしゃー! 勝利ー!」

マユラ「CEO アマテラスでヴァンガードにアタック! ツインドライブで4枚になるからパワー+4000されるよ」

アキラ「暗黒の盾 マクリールで完全防御だ」

マユラ「えーっ!? ド、ドライブチェック……うぅ、何も来なかった」

マユラの場:CEO アマテラス(ヴァンガード)、オラクルガーディアン ワイズマン、お天気お姉さん みるく(アマテラスの後列)、バトルシスター ここあ(ワイズマンの後列)

手札:4

ダメージ:5


CEO アマテラス

グレード3 スキル:ツインドライブ!!

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:オラクルシンクタンク 種族:ノーブル

シールド:− 国家:ユナイテッドサンクチュアリ

パワー:10000 クリティカル:1

永【V】:あなたのターン中、あなたの手札が4枚以上ならこのユニットのパワー+4000。
自【V】:あなたのメインフェイズ開始時、SC(1)し、あなたの山札の上から1枚見て、山札の上か下に置く。
自【V/R】:[SB(8)、CB(5)]このユニットのアタックがヒットした時、コストを払ってよい。払ったら、5枚まで引く。


オラクルガーディアン ワイズマン

グレード:1 スキル:インターセプト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:オラクルシンクタンク 種族:バトロイド

シールド:5000 国家:ユナイテッドサンクチュアリ

パワー:10000 クリティカル:1


バトルシスター ここあ

グレード:1 スキル:ブースト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:オラクルシンクタンク 種族:エルフ

シールド:5000 国家:ユナイテッドサンクチュアリ

パワー:6000 クリティカル:1

自:このユニットがVかRに登場した時、あなたの《オラクルシンクタンク》のヴァンガードがいるなら、あなたの山札の上から1枚見て、山札の上か下に置く。


アキラの場:F・B・D(ヴァンガード)、黒の賢者 カロン(後列)、秘薬の魔女 アリアンロッド(F・B・Dの後列)、グルルバウ(後列)


暗黒の盾 マクリール

グレード:1 スキル:ブースト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:シャドウパラディン 種族:ヒューマン

シールド:0 国家:ユナイテッド・サンクチュアリ

パワー:6000 クリティカル:1

自:[あなたの手札から《シャドウパラディン》を1枚選び、捨てる]このユニットがGに登場した時、コストを払ってよい。払ったら、そのバトル中、あなたの《シャドウパラディン》はヒットされない。


アキラ「俺のスタンド&ドロー。鉄の竜よ、現れ全てを侵蝕しろ。ライド・ザ・ヴァンガード! ダークメタル・ドラゴン! さらにブラスター・ダーク、カースド・ランサーをコール! カロンの支援を受けたダークでワイズマンにアタック!」


ダークメタル・ドラゴン

グレード:3 スキル:ツインドライブ!!

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:シャドウパラディン 種族:アビスドラゴン

シールド:− 国家:ユナイテッド・サンクチュアリ

パワー:10000 クリティカル:1

自【V】:このユニットのドライブチェックで《シャドウパラディン》がでた時、そのバトル中、このユニットのパワー+2000。


カースド・ランサー

グレード:2 スキル:インターセプト

種別:ノーマルユニット トリガー:−

クラン:シャドウパラディン 種族:ヒューマン

シールド:5000 国家:ユナイテッド・サンクチュアリ

パワー:9000 クリティカル:1

自【V/R】:このユニットのアタックがヴァンガードにヒットした時、あなたの《シャドウパラディン》のヴァンガードがいれば、あなたのダメージゾーンから1枚選び、表にする。


マユラ「う、受ける!」

アキラ「アリアンロッドのブースト。ダークメタル・ドラゴンでヴァンガードにアタック! ダークメタル・ドラゴンのスキルでドライブチェックでシャドウパラディンが出ればパワー+2000。合計21000になるぞ」

マユラ「ならこっちだって、バトルシスター しょこらで完全防御!」

アキラ「チェック・ザ・ドライブトリガー。ゲット、スタンドトリガー。ブラスター・ダークをスタンドしパワー+5000だ。続いてセカンドチェック。ゲット、クリティカルトリガー。パワー+5000とクリティカルはブラスター・ダークに!」

マユラ「えーっ!?」

アキラ「終わりだ……行け、ブラスター・ダーク!」

マユラ「ダ、ダメージチェック……うぅ、負けたぁ〜!」

アキラ「……結構ギリギリな勝負だったな」

マユラ「まさかあのタイミングでスタンド引くなんて……けどどのみち凌げなかったかな〜。手札にあったのドローとグレード3だったから」

シア「うぅ〜。見てたら私もやりたくなってきちゃった! アーくん、私ともやろう! マユラちゃんの仇を取るッス!」

アキラ「いいぞ。なら今度はダークイレギュラーズで行くとするか」

ネリネ「では私は……マユラさん、勝負してくれますか?」

マユラ「オッケーオッケー、喜んで!」

カイン「……大人気だよなぁ、あの2人」

裕也「俺らだって弱くないはずなのにな……あの2人の実力が段違いって事なのか」

カイン「……もう1回するか」

裕也「そうすっかー……」
新年1発目がこんなネタ。すまない、去年は余りにも時間がなかったんだ………の続きを読む
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蒼き空の下で 第1章 凶獣咆哮 PHASE-1 さよなら日常、こんにちわ非日常
2011-12-03 Sat 01:33
蒼き空の下で

PHASE-01 さよなら日常、こんにちわ非日常


「で、今日はどうする?」
「さあな。樹と話して決めるとしても、まあいつも通りゲーセンやらで適当に遊ぶって事になるんじゃないか? ああ、それと裕也。お前はボーダーブレイク禁止な」
「なっ、なんですと!? 理由は!?」
「お前、あれ始めると1時間は戻ってこないだろ。だからだ」
「うぬぬっ……もうすぐイベント戦が近いのに」

 待ち合わせ場所の駅前に向かう道すがら、俺は10年来の親友「カイン・ケプフォード」と他愛ない話をしながら向かっていた。いや、他愛なくないけど。俺的に結構重要な案件を却下されたんだけど。

「どーせさー、どーせさー、樹は樹で脱衣マージャンに興じるんだしさー、俺だってやっていいじゃん、ボーダー」
「却下だ。って言うかお前、そんな金使って大丈夫なのか。俺やマユラは公務員扱いだからともかく、嘱託のお前は収入不定期じゃないか」
「大丈夫。春休み中は教導の訓練と任務漬けの毎日だったから。おかげで今貯金はガッポガッポで……」
「……それを貯蓄しようという考えはないのか、お前」
「なに言ってんだよ。学生だったらパーッと使ってパーっと遊ぶしかないじゃないか!」
「後で金が無くなって貸してくれって言われても貸さないからな……」

 やれやれ、何でこいつはこうも頭でっかちなのかねぇ。もうちょっとこう柔らかく考えれば世の中楽しく過ごせるのに。
 まあ、ストッパーのカインが居てくれるから俺たちもいい具合で抑えられているのかな。なら感謝感謝。

「持つべきものは気心知れた親友ってか」
「なんだ、突然?」
「うんにゃ。なんでもない。お、居た居た。おーい、樹ー」

 駅前の待ち合わせ付近に到着した所で、待ち合わせていたもう1人の友人を見つけて俺は声をかけた。ってあれ? 誰かと話してるな。


「だったら、あの女性なんてどうです?」
「ほほう……うむ、中々だ。あれなら75点はつけてもいいだろう」
「75か、厳しいですね。俺様としては80くらいはいってもいいと思うんですけど」
「世界を狭い目で見てはいかんよ。世の中にはまだまだ美しい女性は大勢いる。あの女性に80点をつけてしまえば、その上には20点分しか残らないじゃないか」
「おーい……」
「なるほど……おじさん分かってますねえ」
「何、君より多少長く生きているというだけのことだ。少年よ、君こそその歳でこれほどの慧眼、かなりのものだ」
「おい、樹」
「いや、俺様の本領はまだまだこれからですよ。葵学園にその人ありと謳われた、この緑葉樹、女性を見る眼に妥協なし!」
「ほほう。君は葵学園の生徒かね。だとすれば実に頼もしいことだ」
「「あっはっはっはっはっはっはっはっ」」
「……………」

 なんか、アレだな。色々と突っ込みたいんだが突っ込む気が起きん。

「ってあれ? 裕也にカインじゃないか。なんだ、来てたのか」
「気づくのが遅いっての……」
「? 友人かね?」
「ええ。一応は。……そう言えば待ち合わせしていたんだっけ。すっかり忘れてたよ」
「人が遅れないように来たってのに忘れるなよ」
「この暑いのによくまあ。少しくらい遅れてきたって文句言わないんだからもう少しゆっくり来なよ」
「……『女の遅刻には空より広く、男の遅刻には猫の額の心で挑め』ってスローガンをお前は掲げていた気がするんだが」
「それで前には1分遅れただけで俺の名義で通販のAV買わされたんだが、俺の勘違いか?」
「……最悪だな、それ」

 口元を引きつらせるカイン。そういえば言ってなかったっけか。いや、言いたくないけどさ。こんなこと誰にも。

「ああ、あれつまらなかったよ。主演女優があからさまな年齢詐称。あまりにむかついたんで、週刊誌の編集部に偽名で送り付けといた。販売先の住所つけて」
「っておい! それは聞いてないぞ!? 何かあったら俺のところに問い合わせ来るだろうが! 裏工作だって楽じゃないんだぞ!」
「そのときには楓ちゃんに迷惑かけないようにね」
「むしろ楓なら『裕也くんが望むなら……私は別に……』とか言い出しそうだよな」

 カイン、お前なんて事を……いや、実際そう言われそうで怖いんだけど。あいつの尽くしっぷりは時折妙な方までやっちまうから。
 っていうか……俺、何で樹と友人で居られているんだろう。時々真剣に考えるんだけど。まあ、今更か。
 『緑葉樹』。俺のクラスメイトにして悪友。入学初日からの友人だけど、たま〜に「何で俺こいつと友達になったんだ?」と本気で分からない事がある。
 好きなものは美女。趣味はナンパ。こうして聞く限りはただのチャラい男なんだが、学園でもトップクラスの頭脳を持っているのに納得が行かない。
 って言うかさ、ウチのクラスって頭いい奴多すぎだろうって。おかげでクラスの平均点が妙に高くて試験の時は苦労させられるんだよ。
 まあ、問題児揃いのB組ではこいつと一番気が合うし、面白い奴っちゃ面白いんだけどな。油断大敵でもあるんだが。

「ふむ。仲良きことは美しきかな。友人は大事にせんとな」
「……で、この人は?」
「いやあ、2人が来るまで暇だったんでナンパしてたんだけどさ、その途中で知り合った。なんかやたらと気があってね」
「うむ。女性というものはわれら男種族にとって永遠の神秘。その神秘を探求し続ける同志として意気投合したというわけだ」

 なんかやたらとカッコよく言っているんだけど、要するにそれってただの……ナンパ仲間、だよな。
 にしても……他種族、だよな。この人。
 端正な顔立ちと落ち着いたこの人が俺たちと違った『大人』である事と、そして長く尖った耳が俺たち人族ではない事を表していた。
 魔族。10年前の開門以来、その姿は決して珍しいものではない。現在はその数こそ少ないが、地球にも固有の亜人種――族にいう人狼や吸血鬼、鳥人の事だ――だっている。

「魔族は珍しいかね?」
「えっ?」

 意識していたつもりは無かったんだが、じっと見つめていたらしい。男性は苦笑混じりに言ってきた。

「いえ、そう言うわけじゃなくて……ただ樹と気の合う他種族の人がいるって言うのが、ちょっと意外で」
「裕也、それってどういう意味だよ?」
「どういう意味もそういう意味だ。とにかく、気に触ったのならすみません」

 適当に樹をあしらい、ぺこりと頭を下げる俺。失礼だったよな、そんなじろじろ見つめてたら。

「いや、私は気にしていないさ。それよりも続きといこうか。われら美形遺伝子の持ち主が3人揃っているんだ。それを使わないのは自分に対する冒涜だ」
「えーっと……俺はそういうの興味ないんで」
「すみませんが俺もナンパってのは……」
「あのねえ、裕也、カイン。これは興味の有無じゃないんだよ。例えば、世の中には才能ってものがある。絵の才能、文の才能、音楽の才能。こういった才能を開花させて悪い事があるかい? ないよね? 絵の才能を持っている人が凄い絵を描いたら誉められる。その努力を誉めてあげるべきだ。容姿だってそれと同じ。生まれた時から持っている、1つの才能なんだ。美人になる才能を持った女性がそれを磨いて本物の美人になった。だったら、それを誉めてやるのは正しいことじゃないかい?」
「……まあ、多分」
「容姿の才能を持って生まれて、その才能を開花させた。男っていう種族は、その努力をこう言う形で誉めてあげるべき義務があるんだよ。言ってみれば、ナンパっていうのは頑張った女性たちに対する、俺様達男からのご褒美なんだ」
「なんか正しいように聞こえるけど、絶対におかしいだろ」

 なんか余りにも自信に満ちた態度と物言いに俺とカインは突っ込む気力すら起きなかった。

「さあ、分かってもらえたところで行くぞ。――丁度いい。見たまえ、あの女性を。容姿、スタイル、気品、そのどれもが紛れもない最高クラス! ああいった女性に声をかけないのは男として失礼に値する!」

 その男性は久方ぶりに大物を釣り上げた釣り人のように興奮しながら、少し前を通り過ぎて行く1人の女性を指し示す。
 ……瞬間、俺とカイン、樹の血の気が一気に引いた。

「お、おじさん待ったあ! それはヤバ……」

 さすがに危険を感じ取り、樹が叫びながら手を伸ばす。だが残念かな、男性は鮮やかな身のこなしでその手をすり抜けると、紳士な笑顔を女性に向けた。

「美しいお嬢さん。まさかとは思うのですが、お1人ですか?」

 ありきたりなナンパ文句も、あれだけの美形がやれば極上のワインになる。甘いマスクがもたらす優しげな笑顔。落ち着いた身のこなしが作り出す流れるような動作。すべてが完璧に混ざり合っている。
 あの人ほどのレベルなら余計な言葉はむしろ邪魔でしかない。直接的な言葉のほうが胸に響く。これに無反応で居られる女性なんて世界に数人しかいないだろう。
 ……けど、まあ、

「あー、自慢するわけじゃないんだが、綺麗なんて言葉はもう聞き飽きててねえ。正直何とも思わないんだ」

 この人はその『数人』に入る人だと、俺たち3人はよっく分かっていた。

「あーあ……」
「当然といえば当然だな……」
「……俺様は逃げるから。2人とも、あとで合流の方向で」
「「いや無理」」

 俺とカインは揃って否定する。

「見つかる前に逃げてしまえば勝ちだよ。死体の見つからない殺人は事件にあらず。こいつと同じ論理だね」
「いや無理。紅女史、俺たちのこと既にロックオンしてるんだから」
「…………なんとぉっ!?」

 樹らしからぬ大声を上げると、後ろに飛び退くようにして振り返った。
 紅薔薇撫子。俺たちが通う葵学園の世界史担当で1年時の担任。努力と友情をこよなく愛するその教育方針は、生徒達からの信頼も厚い。
 ただし、その熱血教師っぷりから一部の自由奔放な生徒にとっては文字通り地獄からの使いと変貌する。
 その鋭い栗色の瞳は、声をかけた魔族の男性を飛び越え、完全に樹を捕まえていた。
 整った美貌が、周囲の男すべてを魅了するかのような笑顔に変わる。
 けど俺たちは知っている。あれは女神ではなく、悪魔の笑みだということを。

「まあ、ナンパ自体を責めるつもりは無いが、昨日、私の補習授業をサボった件に関してはしっかりと説明してもらわんとなあ。緑葉」
「いやあ、その……えーと……」
「タイヤ付きグラウンド50週とウサギ飛び階段30往復、どっちが好きだ?」
「ジ・エンド。だな」
「……せめて格調高く、チェック・メイトと言って欲しいね……」
「じゃあナイスボートで」

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まあ、うん。なんとかなる
2011-11-20 Sun 22:07
リベ「こんなの絶対におかしいよ!「煩い」(メキョッ)ry」

アキラ「冒頭から何を言っているんだ、お前は。寒さのあまり頭がおかしくなったか」

リベ「それは暑さの場合と思うのですがどうでしょう」

アキラ「どうでもいい。それで、今回はなんなんだ。と言うかなぜ俺だけしかいない」

リベ「あれ、俺頭数に入れられてない? ひどい!」

アキラ「知るか。早く用件言え」

リベ「わーりましたよー。……まどマギをやろう!」

アキラ「……。帰る」

リベ「え、なして!?」

アキラ「興味が無い。以上」

リベ「なんでだよー、最近魔法が使えないアキラのために使える舞台を用意したのに」

アキラ「要らん世話だ。俺じゃなくて裕也にやらせろ」

リベ「えー、残念ながら裕也くんは諸事情によりダウトになりました」

アキラ「……いや、理由は聞かなくても大体分かるからいい」

リベ「てなわけで! もうアキラしかいないのよ!」

アキラ「だから俺はいやだと言ってるだろうに……」

リベ「だって1話もう書いたし」

アキラ「っておい、聞いてないぞ」

リベ「だって今言ったし(てへっ☆)」

アキラ「エンシェントノヴァ」

リベ「ぼぶっ」(焼失

アキラ「こいつはなぜこう重要な事を後に言うんだ……」

ほむら「仕方ないわ。出来た以上貴方が務めるしかないもの」

アキラ「以上も何も俺は今初めてやらされる事を知ったんだが」

ほむら「事後承諾、ということにならないかしら?」

アキラ「す る か」

ほむら「困ったわね……元主人公(笑)は畑違いだし。一番有力なのは貴方しかいないのよ」

アキラ「確かに他大半はリリカル系メインだが……舞華はどうした」

ほむら「彼女はやめて。本当にやめてむしろやめてください」

アキラ「……分かった。今のは聞いた俺が悪かった」

ほむら「分かってくれてよかったわ……。彼女がその、魔法少女とかになると色んな意味で危ないから」

アキラ「その気持ちは分からんでもない。即刻R指定行きの内容になりそうだ」

ほむら「つまり、どうがんばっても適任者が貴方だけなのよ。なんやかんやでカノンも出てくるし」

アキラ「おい、それは聞いてないぞ」

ほむら「今言ったわ。貴方が魔法少女云々を知る端的な切っ掛けになるのだけれど」

アキラ「アレは裕也の嫁だろう」

ほむら「同時に皆の嫁でもあるわ。むしろIS−ASで貴方が先に絡むのだから、貴方のほうが先に手を出しているわね」

アキラ「……………」(口元引きつらせて

ほむら「……まあ、出てくる以上しっかり働いてもらうわ。覚悟する事ね」(ほむほむと肩を叩いて
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IS-AS〈インフィニット・ストラトス−アナザー・スカイ〉 第08話 ブルー・ファイア/レッド・ファランクス
2011-11-14 Mon 19:44
IS-AS〈インフィニット・ストラトス−アナザー・スカイ〉

第08話 ブルー・ファイア/レッド・ファランクス



 カリスが女と言う秘密を知ってから暫く経ったが、別段それから何かが変わることはなかった。強いて言えばカリスの秘密が女子にばれないように若干気を張り詰めたり、妙にカリスの奴が構ってくる程度か。
 今日も今日とていつも通りの毎日。あー、いい天気だなー。こんな日は屋上で昼寝したい……ん? なんか騒がしいな。

「そ、それは本当ですの!?」
「ウソついてないでしょうね!?」
「本当だってば! この噂、学園中で持ちきりなのよ? 月末の学年別トーナメントで優勝したら青山君と交際できるって――」
「俺がなんだって?」

 声をかけたら輪になって内緒話をしていた女子たちは「ぴぎぃっ!」なんて悲鳴声……随分変わった悲鳴だな。

「みんな集まってどうしたの?」
「べ、別に……」
「な、何もありませんわ……」

 おい、目を逸らしながら言うな。「何か隠してます」って言ってるようなものだぞ。

「じゃ、じゃああたし自分のクラスに戻るから」
「わたくしも自分の席に戻りませんと」

 あ、2人して逃げていきやがった。他の女子も慌てて戻っていったし。

「……なんだったんだろうね?」
「俺が知るか」



「……………」

 教室の窓側の席であたしは表面上平静を装いつつも、内心頭抱えてのた打ち回っていた。
 理由はただ1つ。女子の間で盛り上がっている妙な噂だ。その内容と言うのが、

『学年末トーナメントの優勝者は青山アキラと交際できる』。

 と言うものだ。
 はっきり言って、

「(なんっでこんな妙な方向に転がってるのよ!)」

 思わず全力で突っ込みたくなる。
 あのアキラが喋ったとは思えない。ってことはあの時に誰かが盗み聞きしていたんだろう。
 よく考えればあれって声が大きかったかもしれない。秘密ってことで安心していた迂闊な自分も悪い。
 けど現実には学園のほとんどの女子が知っているらしく、さっきも教室に来た上級生が『学年が違う優勝者はどうなるのか』だとか、『授賞式での発表は可能か』とかクラスの情報通に訊きに来ていた。

「はぁ〜〜〜」

 よろしくない。これは非常によろしくない状況だ。
 もちろんあたし以外の女子とアキラが付き合うのだって断固反対だし、これじゃああたしとアキラが付き合ったらすぐに学園中に知れ渡ってしまう。女の情報網を甘く見ちゃいけない。余計な背びれ尾ひれつけて妙な方向に進めて行くから。

「(だ、大丈夫! 優勝すればいいんだから、優勝すれば!)」

 うん、そうだ。それなら何も問題はない。

「(……大丈夫、だよね)」

 自分を納得させたあと、できれば思い出したくないことを思い出してあたしは顔をゆがめた。
 昔、小学校4年生の頃にもアキラと同じような約束をしたことがある。
 その時は剣道の全国大会。小学校の部というくくりだったから上級生も混じっていたけど、小さい頃から剣道をしていたあたしは優勝を有力視されていた。あたしも優勝できるとそう信じていた。
 けど、大会に参加する事は出来なかった。大会の当日に引越ししてしまった。理由は――姉がISを世間に発表したから。
 姉が発表したISはその性能から発表段階で兵器転用が危ぶまれて、本人を含む親族の保護と言う名目で重要人物保護プログラムで西へ東へ頻繁に引越しさせられた。
 気づけば両親と別々の暮らしを余儀なくされ、しかも元凶である姉は姿を晦ませてしまう始末。
 実の妹であると言う理由であたしは執拗なまでの監視と聴取を繰り返され、心身ともに荒んでいき、元凶の姉を憎んだ。ううん、今でも憎んでいる。
 けれど剣道だけは続けていた。それがアキラとただ1つのつながりに思えたから――ううん、そう思いたかった。そう思わなきゃ壊れてしまいそうだったから。
 そしてあいつがおめでとうって言ってくれた全国大会の優勝……あれは嬉しかったと同時に、知られていてほしくなかった。
 あの時のあたしはただ全てが憎くて、それをぶつけるように剣を振るった。今思い出してもあんな姿は自分でも心底嫌いになる。
 目的もなく振るう力はただの暴力でしかない。決勝戦で負かした相手の流した涙を見て、あたしはようやく自分の間違いに気づかされた。
 あれは強いとはいえない。少なくとも強さって言うのはあんなものを指すんじゃない。

「(あ〜、もう。やめよやめよ。考えてたらなんかまた凹んできた)」

 思えば今の自分はあの頃とは随分違うと思う。それは多分――あいつと、アキラと再会したから。
 ほんと、あいつには敵わないなぁ……もしかしたら強さって言うのは、アキラみたいなのを指すのかも。
 ……あいつと本気で戦えたら、強さの意味が分かるのかな。

「(もしそうなら……なにがなんでも他の奴らに負けられない)」

 当然アキラにも他の奴らに負けて欲しくない。強さの答えを知るためにも。
 絶対、絶対に決勝でアキラと戦ってみせる。そして本気の相手に勝つ。

「(それに勝てば付き合えるんだし。う、うん! これってあたし得じゃない! 一石二鳥ね!)」
「四ノ宮さーん。四ノ宮紫苑さーん。当てられてるんだけどー。おーい、しーおーんーちゃーんー?」
「うん、大丈夫……イケる……これでアキラはあたしだけのもの……」
「……………」

 カコーンッ。
 舞華さん、出席簿アタックは納得しますけど角は痛いです、死ぬほど痛いです。



「「あ」」

 二人揃って間の抜けた声が出た。時間は放課後。場所は第3アリーナ。人物は利千とセラだった。

「あっれーセラじゃない。こんな所で会うなんて奇遇ね」
「本当ですわ。わたくしは学年末トーナメントに向けて特訓をしに来たのですけれど」
「へぇー、ますます奇遇ね。あたしも同じなんだけど」

 バチバチと2人の間で火花が散る。お互い狙っているのは優勝らしい。

「ちょうどいい機会だし、どっちが上かはっきりさせとくってのも悪くないわね」
「あら、珍しく意見が一致しましたわ。どちらの方がより強くより優雅であるか、この場ではっきりとさせましょうではありませんか」

 お互いにメインウェポンを呼び出し、それを構えて対峙する。

「では――」

 ――と、いきなり声を遮って超高温の熱線が飛来する。

「「!?」」

 緊急回避のあと、利千とセラは揃って熱線が飛んできた方角を見る。そこにはあの漆黒の機体が佇んでいた。
 機体名『シュヴァルツェア・ヴォルフ』、登録操縦者――

「アリス・ヴェルース……」

 セラの表情が苦く強張る。その表情には欧州連合のトライアル相手以上のものが含まれていた。

「……どういうつもり? いきなりぶっ放してくるなんていい度胸してるじゃない」

 利千は衝撃砲を準戦闘状態へとシフトさせる。

「中国の『甲龍』にイギリスの『ブルー・ティアーズ』か。……ふん、データで見た時の方がまだ強そうではあったな」

 いきなりの挑発的な物言いに、利千とセラは揃って口元を引きつらせる。

「何? やるの? わざわざドイツくんだりからやってきてボコられたいなんて大したマゾっぷりね。ジャガイモ農場じゃそう言うのが流行ってんの?」
「あらあら利千さん、こちらの方はどうも言語をお持ちではないようですから、あまりいじめるのはかわいそうですわよ?」

 アリスの全てを見下すかのような目つきに並々ならぬ不快感を抱いた2人は、それでもどうにか怒りの捌け口を言葉に見出そうとする。
 が、それはおおよそ無駄な努力であった。

「はっ……。オマエらのような奴らが専用機持ちとは。数くらいしか能がない国と、古いだけが取り柄はよほど人材不足と見える。」

 ぶちっ――!
 何かが切れる音がして、利千とセラは装備の最終安全装置を外す。

「ああ、ああ、わかった。わかったわよ。どうやらスクラップがお望みみたいね。セラ、あたしが先にやるけど別に良いでしょ?」
「ええ、わたくしはどちらでも構いませんが――」
「はっ! 2人掛りで来たらどうだ。下らん種馬を取り合うメスに私が負けるものか」

 それは明らかな挑発だったが、堪忍袋の緒が切れた2人にとってはどうでもいい。

「――今、なんて言った? あたしの耳には『どうぞ好きなだけ殴ってください』って聞こえたんだけど!?」
「この場にいない人間まで侮辱するとは、その軽口、二度と叩けぬようここで叩いておきましょう」

 得物を強く握り締める2人。それを冷ややかな視線で受け流すと、アリスは僅かに両手を広げて自分側に向けて振る。

「とっとと来い」
「「上等!」


「アキラ、今日も放課後特訓するよね?」
「まあな。今日使えるのはどこだったっけ?」
「第3アリーナでしょ」
「紫苑、いつの間に湧いて出たぶっ」

 廊下でカリスと並んで歩いていたが、そこにいつの間にか現れた紫苑まで横に並んで歩いていた。
 で、当然のように疑問を口にしようとしたら当然のようにボディブローがレバーに突き刺さる。げっふぅ。

「人を幽霊みたいに言わないでくれる?」
「気配がなかったから当然の疑問を口にしたんだが」
「鍛錬足りなさすぎ」
「つまり気配を絶っていることを認めたな、今」
「別に絶ってない! 単に2人が鈍いだけじゃないの!?」
「ご、ごめんね、全然気づかなくって……」
「あ、そんな、別に責めてるわけじゃないから」

 折り目正しくぺこりと頭を下げるカリスに、紫苑の奴も気勢を削がれた様だ。カリスマジ天使。

「と、とにかく! 行くなら速く行かない? 今日は使用人数が少ないらしいし。スペースあれば模擬戦もやれるからさ」

 うん、まあ確かにな。結局ISの実力って奴は実稼動経験が物を言うし。少しでも実戦訓練がやれるならやるべきだな。問題点を挙げるとするなら俺の連敗記録が更新されるくらいくらいか。
 俺たちがアリーナに近づくにつれて、人が多くなっていることに気がついた。なんだ? 妙に慌しいけど。
 時折聞こえる話し声からすると第3アリーナが騒ぎの原因らしい。

「第3アリーナで何か起きているみたいだな」
「みたいだね。こっちで様子を見て行く?」

 そう言ってカリスは観客席のゲートを指す。確かにピットに入るよりこっからのほうが速いか。

「誰かが模擬戦をしているみたい。それにしては様子が――」

 ドゴォンッ!

「「「!?」」」

 突然の爆発に驚いて視線を向けると、その煙を切り裂くように影が飛び出してくる。

「利千……セラ?」

 特殊なエネルギーシールドで隔離されたステージからこちらに爆発が及ぶ事はないが、同時にこちらからの声も聞こえない。
 二人は苦い表情を浮かべたまま、爆発の中心部へと視線を向ける。そこに居たのは漆黒のIS『シュヴァルツェア・ヴォルフ』を駆るクレイジーガールの姿だった。
 見ると利千セラのISはかなりのダメージを受けている。機体はところどころ損傷し、ISアーマーの一部は完全に失っている。クレイジーガールの方も無傷とはいかないが、2人に比べて随分軽微に見える。

「なんか珍しい組み合わせだな。あの3人ってあんな仲良かったのか」
「そう見えるならアキラは眼科行くべきね」

 酷いな。まあ俺も口では冗談を言いつつ妙な事になっている事くらい分かっているけど。
 利千とセラは軽く目配らせの後クレイジーガールに向かって行く。どうやら2対1の模擬戦らしいが、追い込まれているのは数で有利なはずの利千とセラに見えた。

「くらえっ!!」

 ジャカッ! と利千のIS『甲龍』の両肩が開き、衝撃砲《龍咆》が展開する。不可視の弾丸はただでさえ厄介なのに、それを最大出力で発射しようとしている。だと言うのにクレイジーガールは回避しようともしていない。

「無駄だ。このシュヴァルツェア・ヴォルフの停止結界の前ではな」

 衝撃砲の不可視の弾丸がクレイジーガールを目指す――が、その攻撃はいくら待っても届く事は無かった。

「まさかこうまで相性が悪いなんて……!」

 バリアー……か何かを張っているのか? クレイジーガールは右手を突き出しただけで衝撃砲を完全に無効化し、すぐさま攻撃へ転じる。
 腰部アーマーがスライドし、装填されていたミサイルポッドが一斉に利千に放たれる。複雑な機動で距離を詰めてくるそれを利千は衝撃砲で撃ち落し、青龍刀で切り落としたりする。
 濃厚な爆煙が辺りに立ち込め、利千の視界を覆う。その時、シュンッと俊敏な動作で何かが利千に迫り、右足に絡みつく。それはワイヤーの先に小型のブレードが付属したもので、カリスのロケットアンカーに似たような機能を持った武器らしい。

「そうそう何度もさせるものですかっ!」

 利千の援護のためにレーザーライフルで射撃をするセラ。同時にビットを射出し、クレイジーガールに向かわせる。

「ふん……。この程度の仕上がりで第3世代兵器とは笑わせる」

 セラの精密な射撃とビットの視覚外攻撃。その両方をかわしながら、クレイジーガールはさっきと同じように腕を突き出す。今度は左右同時、交差された腕の先では見えない何かに掴まれたようにビットの動きが止まっていた。

「動きが止まりましたわね」
「オマエもな」

 セラの狙い済ました狙撃は、けれどクレイジーガールの大型ビーム砲によって相殺……どころか一方的に打ち消してセラに迫る。
 目を見開き、即座に上に回避するセラ。それを待っていたかのようにクレイジーガールは先ほどから捕まえていた利千をぶつけて阻害する。ワイヤーによる振り子の原理。単純だが効果的な攻撃だ。

「きゃああっ!」

 ぶつかり、空中で一瞬姿勢を崩した2人へとクレイジーガールが突撃を仕掛ける。その速度は殆ど瞬間移動のように見えて、間合いを一瞬で詰めた。

「『瞬時加速』……」

 見間違えるはずがない。あれは俺も使う格闘型の技能だ。
 けど格闘戦なら利千も部がある。あの《双天牙月》の連続攻撃を行うと思っていた俺の予想は裏切られ、利千は連結を解いてしまう。
 しかし、その理由はすぐに分かった。クレイジーガールは左背から大型の近接ブレードを引き抜くと、力任せにそれを振り下ろす。利千はそれを《双天牙月》を交差させて受け止めた。確かにあれは連結状態で受け止められるものではない。
 その後もクレイジーガールの連撃は続く。その外見通りの破壊力は直撃を受ければ無事ではすまない。その分隙も大きいが剣自体に補助スラスターも組み込まれているためか攻撃速度は思いのほか速い。なんとか隙を見つけて飛び込もうとするが、加えてワイヤーブレードも組み合わせてその隙をカバーしている。アリーナの形状にあわせて上手く回避している利千だが、8基のワイヤーブレードとバスターソードの組み合わせの前には格闘戦を得意とする利千でも対応しきれていない。

「くっ!」

 再度衝撃砲を展開し、エネルギーをチャージする。

「甘いな。この距離でウェイトのある空間圧兵器を使うとは」

 言葉通り、衝撃砲はその弾丸を射出する寸前にクレイジーガールのエネルギー砲撃によって爆散した。

「もらった」
「!」

 肩アーマーを吹き飛ばされて大きく姿勢を崩した利千にクレイジーガールがバスターソードを振り下ろす。

「させませんわ!」

 しかし間一髪割って入ったセラがレーザーライフルを盾に使って必殺の一撃を逸らす。同時にウェスト・アーマーに装着されたミサイルビットをクレイジーガールへ向けて射出させた。
 ドガァァァンッ!
 半ば自殺行為ですらある接近戦でのミサイル攻撃。その爆発は利千とセラも巻き込み、2人は床へ叩きつけられる。

「無茶するわね、アンタ……」
「苦情なら後で。けれど、これなら確実にダメージが――」

 セラの言葉は途中で止まる。

「…………」

 煙が晴れ、そこには至近距離で爆発を受けたにも拘らず殆どダメージを負っていないクレイジーがールの姿があった。

「終わりか? ならば――私の番だな」

 言うと同時に瞬時加速で地上へ移動。利千を蹴り飛ばし、セラは殴り飛ばす。
 さらにワイヤーブレードが飛ばされた2人の体を捕まえてクレイジーガールの元に手繰り寄せる。そこからはただただ一方的な暴虐が始まった。

「ああああっ!」

 その腕に、脚に、体にクレイジーガールの拳が叩き込まれる。ISアーマーが砕け、もはやそれは模擬戦などではない。

「酷い……! あのままじゃ2人とも命に関わるよ!?」

 カリスの言う通りだ。2人のシールドエネルギーは既にレッドゾーンからデッドゾーンにまでなり、いつISが強制解除されるか分からない。
 あいつ……まさか本気であの2人を殺すつもりじゃないだろうな。

「あ、あたし先生呼んでくる!」
「紫苑さんお願い! アキラ、僕たちは――」

 俺に振り向いたカリスの言葉はなぜか途中で止まった。
 ああ、ああ。分かってるよ。今お前が抱いている感情が。怖いんだろう? 俺の事が。
 俺滅多に本気で怒らないからな。覚えている限りでも片手で数える程度だ。
 今はどうにか必死で抑えているけど、いつメーターが振り切れるかわからない。
 どうにか理性を総動員して怒りを抑えていると、不意に俺は見た。
 普段と変わらないクレイジーガールの無表情が、確かな愉悦に口元を歪めたのを。
 ああ……もう、限界だ。どうやっても抑え込めない。理性という名の鎖はその一瞬の光景を見た瞬間、あっという間に引きちぎった。

「――――!!!」

 『神威』、緊急起動。同時に《止水弐式》の中核となる《天》と《紅蓮》を呼び出し、『天月衝牙』を発動。《天》の刀身が開き、内部からエネルギーの刃が生成される。
 俺はそのままエネルギー刃をバリアーに叩きつけた。『天月衝牙』はあらゆるエネルギーを消滅させる。それは無論、アリーナのバリアーも例外じゃない。
 出来た隙間を通ってアリーナに侵入。同時に『瞬時加速』を使って一気に距離を詰め、《紅蓮》をクレイジーガールへ振り下ろした。

「ほう……」

 意外そうな声を上げ、クレイジーガールは右目だけを正確に俺に向ける。その瞬間、ぴたりと金縛りにでもあったかのように体が動かなくなった。

「意外だな。オマエのような奴は感情的になる事はないと思っていたが」
「……………」

 話しかけられた俺はキッと鋭い目つきでクレイジーガールを睨む。俺に敵意を向けられて癇に障ったのか、クレイジーガールは不快そうに鼻を鳴らした。

「…………だ」
「ん?」
「なんなんだよお前……俺に恨みがあるのはわかるさ。恨むだけの理由がお前にはある。けどな、その2人はなんだ。お前には関係のない2人だろう……それをこんな風に痛めつけて……なんのつもりだ」
「何のつもりも何も実力の差を思い知らせてやっただけだ。下らん種馬を追いかける大した実力もないのに専用機持ちになったこの2人にな」

 ああそうかい。じゃあお前はあれか、自分が一番強いとかそう思い込んでいる相当痛い奴か。……ふざけるな。こんな奴にあの2人がこんな風になるまでやられたのか。

「……もういい。お前と話す事なんて何もない。今ようやく理解した……アリス・ヴェルース、お前は俺の敵だ」
「奇遇だな。私も前からオマエの事をそう思っていた。そして――これでお別れだ」

 ガコンッ。右肩の大型ビーム砲が接続部から回転し、その砲口が俺に向けられる。

「アキラ、離れてっ!」

 カリスからプライベート・チャンネルが聞こえて、同時にアサルトライフル2丁による弾雨が降り注ぐ。
 
「ちっ……。雑魚が……」

 それまで俺を拘束していた目に見えない力は消え、体に自由が戻る。俺は即座にヴェルースが離した利千とセラの元へと飛び込み、2人を抱きかかえた。

「(『天月衝牙』や『瞬時加速』でもうエネルギーが……けど頼む、『神威』!)」

 俺の願いに応えるかのように背部大型スラスターにエネルギーが集中する――よしっ!
 ぐにゃりと世界が歪み、次の瞬間倍速再生に切り替わったように景色が流れて行く。『瞬時加速』特有の感覚が過ぎると、俺はヴェルースから一瞬で離脱した。

「アキラ、2人は!?」

 俺に聞きながらもカリスはヴェルースへの射撃を行い続けている。速射性に優れた火薬式アサルトライフルを、カリスの拘束切り替えと組み合わせ、弾切れを起こした銃とすぐさま入れ替えてヴェルースの反撃を許さない。

「う……アキラ……」
「無様な姿を……お見せしましたね」
「いいから喋るな。大丈夫だ、2人とも辛うじて意識はある」
「よかった」

 僅かに安堵した声で答えるカリスだが、その手は一切休まる事はない。
 俺は抱えていた2人をピットの近くに寝かせると、カリスにプライペート・チャンネルを繋げた。

「もういいカリス。お前は2人のガードに入ってくれ」
「ええっ!? ダメだよ、『神威』だってもうエネルギーが……」
「頼む……俺がやらないと、この怒りをどこにぶつければいいのか分からないんだ」

 静かに、普段通りに言ったつもりだが、少しだけ威圧的な口調になってしまった。カリスはごくりと息を飲み、不安げな顔で俺を見る。

「無理しないって約束できる?」
「ああ。だから頼む」
「分かった……それじゃあ、4秒後にポジションを入れ替えるよ」

 カリスの指示に俺は頷き、後ろにいる2人を見る。
 ……これも全部、俺が招いた事なんだよな。
 だったら……俺がケリつけないといけないんだよな。……あと3秒
 ヴェルースに射撃を行いながらカリスは弧を描きつつやってくる。……あと2秒。
 いいさ。もとよりこの勝負、誰にも任せるつもりはない。……1秒。

「アキラ!」
「ああ……!」

 攻守交替。利千とセラのガードにカリスがつき、ヴェルースの相手を俺がする。
 シールドエネルギーは残り2桁しかない。勝負は一瞬だ。
 全ての剣を《天》に合体させ、最大加速でヴェルースとの距離を詰める。
 ここからは俺が相手(メキョ)……メキョ?

「スピニングサンダーキーック!!」
「ぎゃれおんっ!?」

 弾丸の如き鋭い蹴りが俺を貫き、抵抗する事も出来ずに俺は吹き飛ばされた。
 ガンッ、ゴインッ、バインッ、バコンッ! 何度か地面を跳ね、アリーナの壁に激突。
 ……な、何が起きたんだ?

「きょ……教官!?」

 驚きの声を上げるヴェルース。教官? 教官ってもしや……。

「ったく。紫苑が慌てて来たから急いで来てみれば……何やってんのよあんたたち。模擬戦やるのは自由だけど、アリーナのバリアーまで破壊するのはどうなのよ? この戦いの決着は学年別トーナメントでつけなさい。いいわね?」
「教官がそう仰るなら」

 素直に頷いて、ヴェルースはISの装着状態を解除する。アーマーが光りの粒子へと変換され、弾けて消えた。

「あんたたちも、それで良いわね?」
「僕も構いません……けど」
「けど?」
「アキラ、先生の蹴りで伸びてます」
「……あれ?」

 あれ? じゃねーよ、あれ? じゃ。今確実に絶対防御抜いて直撃したぞ。がくっ。
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緋弾のアリア−The Brust Striker− 第2弾 −双剣双銃(カドラ)のアリア−
2011-11-03 Thu 14:29
「アキラ。あんた、あたしのドレイになりなさい!」

 ……………………はて、なんだろうかこの突拍子も無い状況は。
 脚本があればその前のページが数十ページほど抜けているような、そんな状況か。
 いけない、少し混乱してきた。少し状況を整理しようか。
 俺の名前は九道アキラ。東京武偵高校に通う2年生。で、目の前にいるこのチビは今日転校し、俺をバイクジャックから助け、そのあと銃をぶっ放す刀を振り回すしてきた神崎・H・アリア。
 で、場所は俺の部屋。そしてこの神崎は突然上がってきて、いきなり「奴隷になれ」と言ってきた。よし、状況は飲み込めた。
 結論――

 サッパリ分からん。


緋弾のアリア−The Brust Striker−

第2弾 −双剣双銃(カドラ)のアリア−


 これは一体どういう状況なのだろうか。整理してもまったく飲み込めていない。
 眉根を寄せる俺を神崎の奴は気にも留めず、さっきまで俺が座っていたソファにぽすんと腰を下ろした。

「そう言うわけだから、コーヒー! エスプレッソ・ルンゴ・ドッピオ! 砂糖はカンナ! 1分以内!」

 いや、どう言うわけだ。俺にも理解できるように状況を説明しろ。
 と言うかなんだ、その呪文みたいなコーヒーは。エスプレッソってあのエスプレッソだろう? あれ以外にエスプレッソってあるのか。

「あとは……お腹空いた。この辺に松本屋の『ももまん』売ってるとこない? あたし、食べたいな」

 ………………ぷっつん。
 もし超高感度マイクがあったなら、きっと俺の心境を音で拾う事ができただろう。
 目には目を、歯には歯を。無礼な奴にはそのまま無礼を持って、ってな。
 俺は無言で神崎の首根っこをむんずっと掴み、そのまま廊下を抜け、玄関口を開け――ぽい。
 流れるような一連の動作で神崎をつまみ出した。
 外につまみ出された神崎はきょとんと目をぱちくりさせ、俺を見上げる。俺は即座に戸を閉め、厳重にロック。
 ふう……これで俺の部屋の平和は守られたか。よくやった俺。

 ドンドンドンドンドンッ!!!

「こらぁー! なに摘み出してんのよー!」

 が、平和と言うのは本当にあっという間に終わるものらしい。
 状況をようやく飲み込んだ神崎が扉を壊しかねない勢いで叩き、「開けなさいよこのバカー!」と喚いている。当然俺はお断りだ。
 ノックと呼ぶには騒々しい音に完全無視を決め込む。ちなみに、扉は武偵高らしく防弾製だから拳銃程度で破壊する事は不可能だ。白雪みたいに「アレ」持ち出されれば話は別だが。

 ドンドンドンドンドンッ!!!

「開けなさいってばー! あたしの荷物部屋のなわきゃぁっ!」

 ええい、騒々しい。俺は神崎の奴が持ってきたトランクを言われた通り神崎に放り、さらに靴も投げて素早く閉めて鍵もロックする。
 よし、これでこの部屋の平和は再び――。

 ドンドンドンドンドンッ!!!

「開けなさいよこのバカー! 白状者ー! 風穴開けるわよー!」

 ちぃ、今度は1秒も続かなかったか。平和とは尊い物だな。身に染みた。
 と言うか、風穴開けられるんだったらなおの事お断りする。

「開けなさい! 開けなさいってば! 居るのは分かってるんだからね!」

 ふんっ。持久戦に持ち込めばこっちのものだ。外は夜はまだ寒い4月。アイツも時間が経てば諦めて引き下がるだろう。そうなったら俺の勝ちは決まったも同然だな。

「開けろこのバカー! 鬼畜! 強猥男! 変質者ー!」

 俺にそんな脅しが通用すると思っているなら大間違いだ。全部言いがかりだし、俺無実だし。
 さて、何をして時間を潰そうか。

 ドンドンドンドンドンッ!!!

 寝るには外のBGMがうるさいな。いくらやっても無駄だろうに。諦めの悪い奴だ。
 やれやれ、今日は一体なんなんだ? 模倣犯に殺されかけ、助けてくれたチビに殺されかけ、その上奴隷にされろと来た。これは一回お祓いでもしてもらうべきなのかね。
 あ、白雪ならやってくれるかな。経費節約経費節約。頼りになる友人がいてよかった。

 ドンドンドンドンドンッ!!!

 ……しかししつこいなあのチビ。
 そもそも何者なんだ? あの神崎って奴は。その辺の武偵よりよっぽど強いが。それがドレイってなんなんだ一体。
 ……いや、考えるのはよそう。余計な事に巻き込まれたくはない。

「……? 静かになった……」

 気がつくとノックと呼ぶにはあまりにも騒々しいドアを叩く音は鳴り止んでいた。
 覗き窓から外の様子を伺ってみるが、姿もなければ人の気配も無い。どうやら諦めたらしい。

「ようやく帰ったか……まあなんにしても一件落ちゃ――」

 ガッシャァァァンッ!
 突然声を遮るようにガラスを割ったような音が鳴り響く。
 これは……リビングの方か?
 慌ててリビングに駆け込むと――

「……………」

 ピンクの子鬼が、銃を持っていた。

「よくも……よくもこのあたしをつまみ出したう、上に、む、むむ、無視、無視したわね……」

 訂正、ピンクの子鬼ではなく神崎。怒りのあまり呂律がうまく回ってない。
 どうやって入り込んだんだ? ああ、屋上からベルトのワイヤーを使って降りてきたのか。器用だなこいつ。
 顔を上げた神崎はギギンッと目を釣り上げている。そこら辺のチンピラも裸足で逃げるほどだ。

「か――風穴ぁぁぁ!!!」
「うわっ!」

 ジャキキンッ!
 神崎は例のエセメントを俺に向け、引き金を引こうとする。
 俺は内心慌てながらエセメントのスライドを掴んだ。ここを掴んでおけば引き金を引いても撃つ事はできない。

「人の部屋で拳銃ぶっ放すバカがあるか!」
「うるさいうるさいうるさい! あんな無礼な振る舞いして、ただで済むと思ってるの!?」
「無礼はどっちだ! いきなり人の部屋に上がりこんだ挙句奴隷にしろだのコーヒーや食い物用意しろなんて命令する奴に礼節で返す必要があるか!」

 正論で返すと神崎はうみゅみゅう、と唸る。いや、唸ったのか?

「そもそもドレイとかいったいなんのつもりだ。いつの時代の人間だ、お前は」
「ち、違うわよ! ただ強襲科に戻ってあたしとパーティー組んで欲しいってだけよ!」
「強襲科に……?」

 まさかここで昔いた科の名前を聞くとは思わなかった。
 ようやく落ち着いたのか、神崎は「離して」と目で訴えてくるから一応離す。

「そう。あたしと一緒に武偵活動しなさい」
「他当たれ。以上」

 ザ・即答。そのまま神崎にはお帰りいただくために玄関を指差す。

「今更あんな狂ったやつらのところに戻るつもりはないし未練すら残っていない。俺なんかよりも役に立つやつはゴマンといるだろう。そいつらに組んでもらえ」
「――九道アキラ、入学試験の成績Sランク」

 こいつ……なんでその情報を。
 しかめっ面になった俺の顔を見て神崎はふふんと得意げに笑った。

「あんたの情報は全部調べさせてもらったわ。武偵ならこの程度当然でしょう」

 ああ……それもそうだな。
 武偵の正式名称は武装探偵。
 要は武装した探偵なんだから。ただドンパチやるだけじゃなくて情報戦が最重要になる。

「試験内容は14階建ての廃屋に散らばった志願者同士を捕縛しあう。あんたはそれを1人で、しかも剣1本で成し遂げた。抜き打ちで紛れ込んでいた教官5人も含めてね」
「偶然だ」
「嘘ね。あたしから逃げたんだからその実力に間違いはないわ」
「……仮にお前の言うことが事実だとしよう。それが俺をお前のパーティーに入れることと何の関係がある」
「太陽はなんで沈む? 月はなぜ輝く?」
「なんだそれは」
「アキラは質問ばっかりで子供みたい。仮にも武偵なら、自分で情報を集めて推理しなさい」

 ……こいつには日本語が通じないのだろうか。それとも俺の日本語の使い方が間違っているのだろうか。

「太陽云々の説明は一応可能だが長くなるぞ」
「例えで言っただけよ」
「だったら説明を求めるな」

 これほどまでに非常識な奴は初めて見た。やっぱこう言う類の奴はロクなのじゃないな。
 今更だが無視するか、こいつは。ちょうど夕飯時だし下のコンビニで弁当でも買ってこよう。

「どこに行くの?」
「買い物」
「ならあたしも行く」
「…………。勝手にしろ」


 なんなんだ、こいつは……。こいつの考えている事は分からん。
 幕の内弁当の焼き鮭をほぐしつつ神崎を一瞥する。
 あいつはコンビニでももまんを見つけると、7個全部買い占めていた。
 ちなみにももまんというのは昔流行った見た目が桃っぽいだけのあんまんだが、こいつはそれしか食っていない。栄養バランス最悪だろう。それで足りるのか?
 まあこいつが何をしてこようとも強襲科に戻るつもりはまったく無い。
 書類手続きを済ませて提出すれば、来年にはこんなところともおさらばだ。

「お前みたいな奴を『ふてぶてしい』って言うんだろうな」
「皮肉だけは一流ね」
「褒め言葉として受け取っておく。で、お前はいつまで居座るつもりだ」
「アキラが強襲科に戻ってあたしとパーティー組んでくれるまで」
「安心しろ、未来永劫無いから」

 さっきからこんな調子で話は平行線を辿っている。お互い一切妥協するつもりは無いようだ。

「あんたには力がある。なんでその力を使おうとしないの?」
「使うか使わないかを決めるのは俺だ。誰がなんと言おうと俺はもう二度とこんな力を使わない。それが俺の答えだ」

 じっと見詰めてくる神崎を無視し、俺は卵焼きを口に放り込む。

「力を持つのならその力を使うべきじゃない。それが義務って物だわ」
「クソくらえだ。だったら俺はこんな力必要ない。喜んで捨ててやる」
「……どうやら話で聞く以上に捻くれで頑固みたいね、あんた」
「その言葉そっくりそのまま返してやる」

 ああ、やだやだ。なんなんだこのガキ。なんでそこまでして俺を戻したいんだ。
 確かに入学試験の時はSランクを取ったさ。自分で言うのもなんだが確かに武偵としての腕も立つだろう。
 けどそれも昔の話だ。今もあの時のようにやってみろといわれたら難しい。
 そもそも――

「フェアじゃないな」
「なによ?」
「フェアじゃない。そう言ったんだ。お前は一方的に俺に要求を突きつけてくるばかりでこちらに対しては何のメリットも無い。それで首を縦に振れって言うほうが間違いだ」
「うっ」

 ごく真っ当な意見を突きつけると神崎の奴は言葉を詰まらせた。

「それに俺を戻してパーティーを組みたい理由を明かそうともしない。自分のことを何も話さずに要求だけ押し付けるやつを信用する事も納得する事も出来ないな」
「ぶっ、武偵ならそれくらい自分で調べてみなさいよ!」
「武偵以前の問題だ。物事には順序って物がある。なんにしても人に頼むなら最低限の礼儀は尽くすべきだろう」

 ふーっとネコみたいな犬歯を剥いて食って掛かる神崎を俺は正論でねじ伏せてやった。
 ついでに……こいつの抱えている俺に対する弱みもちらつかせて見るか。

「不法侵入に器物損壊……」
「うっ?」
「ああ、あと脅迫に暴行罪もあったな。これだけ罪を重ねていれば一晩くらい留置所に閉じ込められるだろうが、どうする?」
「あんただってむむむ、胸見てた!」
「仮にそれが事実として、俺が強猥で実刑を課せられたとしよう。だがこの場合、どちらの罪がより重いか……武偵なら分かるだろう」

 トドメの一言を言い放つと神崎は言い返す言葉が出てこなくなったのか、浮かせた腰をぽすんと椅子に下ろす。
 これで少しは大人しくなるか。俺は煩いのが嫌いだし、群れるのだって好きじゃないんだ。
 しかし武偵なら自分で調べろ、か。まあこいつの言っていることも一理あるな。あとでこいつを調べておくか……。静かに目立たず残りを過ごしたいってのに。

「自らの行いを省みて反省する気持ちがあるなら次からは考えて行動しろ。以上」

 言うだけ言って俺は席を立ち、食べ終えて空になった弁当の容器を片付けて行く。
 さて食後のデザートは……無い。
 飲み物くらいしか入っていない冷蔵庫を見て俺は眉を潜める。ああ、そういえば買い忘れていたな。今から買ってくるか。

「どこ行くのよ?」
「コンビニだ。買い忘れたものがあったから買ってくる。……それを食べ終えたら今度こそ部屋から出て行け。でないと起訴するぞ」

 念を押して言い残して自宅を後にし、いざ2度目のコンビニへ。
 正直に言うとあいつをこのまま放置するのは激しく不安が残るんだが、こっちも糖分を補給したい。頭働かせるには糖分が必要だからな。
 と言う事でコンビニに言ってそこそこに悩んだ結果、シュークリーム2個にロールケーキとカスタードプリン1個ずつ購入した。選ぶのに時間かけたし神崎の奴ももう部屋を出ただろう。出ていなかったら起訴してやる。
 そして部屋に戻る途中、エレベーターの前で見知った奴と遭遇した。

「あ、アキラ」
「紫苑か。どうしたんだこんな所で」
「どうしたはこっちのセリフ。アキラこそなんで外に?」

 十中八九俺の部屋に行こうとしていたらしい紫苑は首を傾げて尋ねてくる。けど俺が答える間もなく下げていたコンビニ袋を見て眉を潜めた。

「もしかしてもう夕飯食べた?」
「ああ。ご覧の通り食後のデザートだ」
「まーたデリバリーかコンビニ食べて……身体に悪いって言ってるでしょ」
「1人暮らしなのにいちいち作るのは面倒なんだよ」
「だからいつもあたしや雪ちゃんが届けに着てるのに……」

 やれやれ、なんで俺はこうもお節介な幼なじみを2人も持ってしまったんだ。右も左も分からない子供じゃないんだから自分のことくらい自分で出来るっての。

「それで? 用件はなんだ」
「あ、うん。肉じゃが作ってきたからお裾分け。雪ちゃんも後で来るって」

 ああ、本当俺の幼なじみ2人はなぜこうも以下同文。

「まあ……一応礼は言っておく」
「相変わらず素直じゃないんだから……」

 生憎これは生まれつきなんでな。一生変わりそうにない。
 2人してエレベーターに乗り込み、俺の部屋がある階へ。途中、紫苑が「そういえば」と前振りをして話しかけてきた。

「今朝の周知メールにあったバイク爆破事故って知ってる?」
「ああ。知ってるも何もその被害者だ」
「やっぱか……なんか嫌な予感したんだよね。で、怪我とかは?」
「たいした事は無い。バイクは完全に廃車だけどな」

 むしろそっちのほうが精神的にダメージが大きかった。
 保険は適用されるみたいだがあれなら新しいのを買ったほうが速いと保険屋に言われ、残ったのは3年分のローンのみ。

「紫苑、頼みがある」
「やだ」
「……まだ何も言っていないだろう」
「どうせあたしの600RR貸してくれって言うんでしょ? 断るに決まってるじゃない。アキラの運転って凄く荒いんだから。壊したら責任とってくれるの?」

 そう言われるとこっちも頼み込めない。あいつはあのバイクお気に入りで1日1回は磨くほど溺愛しているくらいだ。
 おまけに紫苑に言われた通り俺の運転は少し荒っぽい。だから過酷な走行にも耐える車種を選択していたんだが……。

「新車の目処ってついてるの?」
「いや、まだだ。と言うかショックが大きすぎて立ち直るのに少し時間が掛かる」
「まあ今日いきなり爆破されてオジャンだしね」

 思い出したらなんだかまた凹んできたし腹立たしくなった。この怒りはどこにぶつければいいんだ。

「犯人捕まえたら地獄見せてやる……」
「何か言った?」
「なんでもない。まあ上がれ。お茶くらいは出す」
「ならお言葉に甘えさせてもらおうかな」

 そう言えば……神崎の奴、もう出て行ったんだろうか。いや、さすがに出ただろう。起訴するって脅しまでやったんだから。
 一瞬抱いた不安は霧散し、カードキーを挿してロックを解除して扉を開ける。
 ……人の気配は、ここからだと無いな。神崎も観念して帰ったか。

「どうかした?」
「いや、別に」

 なんにしてもこれで俺の平和な日々が戻ってきたか。とりあえず後ろが支えているから上がろう。
 一応紫苑にお茶を出すといったから台所に向かおうと、洗面所を通りかかると――
 ガチャッ。
 ……ガチャ? おかしい。今俺は入ってきたばかりで紫苑も扉を閉めていない。そもそも聞こえたのがほぼ真横だ。
 つつ、と視線を横にずらす。

「……………」
「……………」

 洗面所から出てきた神崎と目が合う。頬がほんのりと上気しているし髪を下ろして肩にタオルを下げている事から察するに風呂上りなんだろう。俺の部屋で。
 ガッ、ミシミシミシ……ッ。

「お前は何を堂々と人の部屋のシャワーを使っているんだ」
「いたたたたたっ! あ、頭割れるぅぅぅ!」

 問答無用で神崎の奴に必殺アイアンクローをかます。こいつはただでさえ小さくて軽いから片手で持ち上げられそうだ。

「……アキラ」
「取り込み中だ後にしろ。で、だ。神崎・H・アリア。俺は確かに言った筈だな? 食べたら出て行けと。なのにここに居座っていると言うことは訴えられる覚悟があるという事でいいんだな? 言っておくが俺はやる時は本気でやるぞ。今がまさにその時だ」
「アキラ」
「後にしろ。お前も俺を訴えるつもりのようだが俺は事実をありのままに話すぞ。どの道有罪になる確率は低い。対してお前のほうは複数の罪を完璧に犯しているから有罪になる可能性は限りなく高い。俺に喧嘩を売ったことをブタ箱で後悔するといい」
「ア・キ・ラ」
「なんなんだ紫苑。こっちは――」

 何度もしつこく声をかけてきた紫苑に痺れを切らし、俺はうんざりしながら振り返ると――すぐに後悔した。

「誰その娘。ちゃんと説明してくれるんだよね?」

 ニッコリと聖母のようで、その実大魔王みたいな笑みを浮かべていた紫苑。口で語らなくても雰囲気で分かった。
 「話さないと承知しないよ?」、と。


「――と、言うわけだ」
「まあ、大体の事情は飲み込めたけど……」

 これまでの経緯を紫苑に話し、どうにか怒りを納めてもらうことが出来た。
 一応は納得したような表情をしていたが、紫苑はちらりと神崎を横目で見る。神崎の奴は警戒しているのか、ジトーっとした目で紫苑をガン見している。お前は猫か。

「……えっと、自己紹介が遅れたけど私は四ノ宮紫苑。こいつとはきょうだいみたいに育てられた幼なじみ、かな。神崎……さん? で、いいかな。アキラを助けてくれてありがとう、私からもお礼言わせてね」
「べ、別に……アンタのために助けたわけじゃないわよ」
「おい紫苑、こんな奴に礼を言う必要なんて無いだろ」
「礼節って言うのは大事でしょ? あたしの友達助けてくれたんだからお礼を言うのが筋ってものだって」
「律儀なやつだな……」

 ちゃんと俺が神崎に襲われた事も説明したっていうのに。それでも礼を言うなんて人が良すぎるだろ。

「で……えーっと、アキラとパーティーを組みたいんだっけ? それってどうして? アキラってEランクの探偵科だよ?」
「けど強襲科の入学試験のときにはSランクの成績だった。あたしから何度も逃げたのよ、普通の人間には不可能だわ」
「って言ってるけど?」
「お断りだ。以上」

 にべも無く即答。俺の回答を聞いた神崎はバンッ! と机を叩いて立ち上がる。

「ここまで言ってるのにどうして組んでくれないのよ!?」
「事情も明かさずにただ組めと強要してくる。そんないかにも怪しい誘いに乗るはずが無いだろう。乗る奴はバカだ」
「アキラ、それ言い方きつすぎ。……とは言っても、その通りだよね。ねえ、神崎さん。事情だけでも話してくれない? こう見えてこいつって結構人が良いから話してくれれば協力してくれるかもよ?」
「おい紫苑。何を勝手に……」

 でっち上げもいいところだ。俺のどこが人がいいって言うんだ。お人よしならこいつの事情聞かないで受けるものだろう。

「……全部話したら組んでくれるのよね?」
「……全ては内容次第だ」

 真剣に、それと同時にかすかな不安を宿して見詰めてくる神崎の問いに、俺はそれを答えるのが精一杯だった。
 その答えに神崎はゴクン、と少し緊張した様子で息を飲む。
 と、そこに――

 ……ピン、ポーン……

 唐突に玄関からチャイムが鳴った。
 ……なんだろう、この慎ましいチャイムには非常に心当たりがあるんだが。

「……………」

 紫苑と目が合う。紫苑は無言で俺に頷いた。俺の予想が間違っていない、と。
 いざ話そうとした神崎はと言うと、出鼻を思いっきり挫かれて金魚みたいに口をパクパクさせている。とりあえずこれは放置で決定だな。
 ひとまず神崎の事は紫苑に任せて玄関に向かい、覗き窓で外を伺う。
 ドアの前に立っていたのは案の定、お節介焼きなもう1人の幼なじみの星伽白雪が立っていた。
 緋袴に白子袖――俗に言う巫女さんの格好で。
 いや、別にコスプレじゃなくてこいつの実家って先祖代々続く星伽神社の巫女なんだから本物なんだけどな。
 若干ツリ目で性格もどちらかと言うと言葉より先に手が出るタイプの紫苑と違っておっとりしていて結構弱気。つやつやした黒髪は知り合った頃から前髪ぱっつんだ。
 なんで来たのか考えて見ると、そう言えば紫苑と外で会ったときにあとで来るかもとか言っていた気がしなくも無い。

「白雪、こんな夜中にどうしたんだ」

 とりあえずドアのチェーンを外して開き、白雪と顔を合わせる。いきなりドアを開けたことに少し驚いたのか、白雪の肩がびくっと震えた。

「あ、アーちゃん」
「そのあだ名いい加減どうにかしてくれ……高校生にもなってそれは恥ずかしいんだが」
「えっ、あっ、ご、ごめんね! でも私……さっきまでアーちゃんのこと考えてて……あっ、またアーちゃんって……ご、ごめんねアーちゃん、あっ」

 あわあわと蒼白になって慌てる白雪に俺は肩を落とした。まあ、長年染み付いた動作は簡単に直す事なんて出来ないか。

「もういい。それよりどうした?」

 話題を変え、いつも通り素っ気無い態度で尋ねる。
 だが内心は「出来れば早く帰ってほしい」と願ってやまなかった。今白雪まで来るとますますややこしい事態がややこしくなりそうだ。

「ね、ねえアーちゃん。今朝の周知メールに出てたバイク爆破事件って……しーちゃんと話してたんだけど、もしかしてアーちゃんのこと?」
「ああ、まあな」

 しれっと俺が言うと白雪は俗に言う「白雪式跳躍術(無音無動作で跳ぶ方法のこと)」で10センチくらい飛び上がった。

「だ、大丈夫!? 怪我とかしてない!?」
「紫苑にも言ったが大丈夫だ、大した怪我は無い。そんな事でいちいち驚くな、武偵高なら良くある事だろう」
「は、はい……。それにしても許せない! アーちゃんを狙うなんて! 私ぜったい、犯人を八つ裂きにしてコンクリ……じゃない、逮捕するよ!」

 今コイツ、八つ裂きとかコンクリとかって言いかけたよな。いや、気のせいか。気のせいにしておこう。
 こいつって時折変な方向に暴走するのが玉に瑕なんだよな。普段は良い奴なんだが。

「お前も紫苑も心配しすぎだ。あの程度で俺が死ぬとでも思ってるのか?」
「そ、そんな事、無いけど……けど……理穏さんの事だって、あったし」
「――――」

 一瞬、俺の表情が強張る。その話題だけは平常心でいることが難しかった。
 あれからまだ1年も経っていない。振り切ると言うにはまだまだ時間が足りない。

「……大丈夫だ。安心しろ、白雪。俺はお前たちの前から勝手に消えたりしないって約束する」
「アーちゃん……うんっ」

 不安そうに顔を俯かせていた白雪はその言葉にぱっと表情を明るくした。

「あ、えっと……それでね、タケノコごはん、作ってきたの。今旬だし……それと私、明日からまた恐山で合宿だから、暫くはしーちゃんがご飯つくりに来ると思う」
「そうか……悪いな、いつも。それにしても大変だな、お前のとこのSSRも。昨日まで伊勢神宮にいたんだろう?」
「うん。あ、あのね、アーちゃん!」

 とりあえず当たり障りの無い話題を続けていると、突然白雪が大声を出してずいっと顔を近づけてきた。

「な、なんだ?」
「私がいない間、しーちゃんとその……ヘ、ヘンなことしないでね!」

 ガタンッ!
 どっか近くは無いが遠くも無い場所で、何かがこけた音。
 多分、紫苑が椅子からずり落ちたんだと俺は確信していた。

「? 中に誰かいるの?」
「いや、誰もいないぞ」
「けどしーちゃんが先にアーちゃんの部屋に行くって言ってたんだけど……来なかったのかな?」
「いや、紫苑の奴はもう帰ったんだ。多分あれかな、まとめて買った雑誌を椅子に載せておいたから落としたのかも知れない。とりあえず白雪は何も気にしなくて良い」

 これ以上話すと墓穴を掘ってしまいかねないためぐいぐい白雪の背中を押して追い出す。

「アーちゃん……私に何か隠してない?」

 なんでか目から光を失わせつつ、白雪の表情が一瞬無表情になった。
 いけない、これはいけない。これ以上は非常に危険だ。ここで白雪が押しかけてきたら確実に俺の部屋が無くなる。

「何を言っているんだ? お前にするような隠し事なんてあるはず無いだろう、白雪」

 強引に笑みを浮かべて白雪の肩に両手を置く。落ち着け、落ち着けと念を送りながらついでに叩いた。

「そう。よかった。それじゃあね、アーちゃん」

 最後に春風のような爽やかな笑顔を作ると(最後の一瞬目に光が無かった気がするが、きっと気のせいだ)、ようやくこっちに背を向けてくれた。
 パタン。

「…………生きた心地がしなかった」

 ドアを閉めてチェーンも掛け鍵も掛けると人心地ついた俺はどっと息を吐いた。
 危なかった……今のは非常に危なかった。白雪の奴暴走すると手に負えないからな。
 リビングに戻ると、紫苑の奴が気まずそうにこっちを見てきた。それでいてなんか顔が赤い。

「ご、ごめん……」
「気にするな。どうにかごまかせたから」

 さて、本題に戻ろうか。
 気を取り直して神崎に顔を向ける。? なんで神妙な顔してるんだ。

「どうかしたのか?」
「あ、あ、アン……」

 アン? アンパン食いたいのか? 俺は漉し餡が好きだが。

「アンタ達そう言う関係だったの!?」

 ガタタンッ。神崎のずれた勘違いに俺と紫苑は揃ってずっこけた。

「なんでそうなる……」
「だ、だってさっき! ヘンなことしないでって……ま、まさかさっき話していた相手とも!? 二股!? サイッテーーー!」
「意味が分からん……」

 だが神崎の奴は俺の言葉がまったく聞こえてないらしく、勘違いをさらに暴走させていった。
 ……だめだ付き合いきれない。もう寝よう。

「あ、ちょっとアキラ!? ど、どうするのこの子!」
「知らん。今日は疲れた。俺はもう寝る。話はまた明日だ」

 慌てている紫苑に言ってソファに横になる。なんか色々ありすぎて疲れたし頭が痛い。これじゃあまともに考えられそうにない。
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