「あーちょっとまて! まだこっちも準備が!」
「あらあらうふふ。私もお手伝いしますわ」
「ちょっと待て。今のお前悪い意味でステキな笑顔浮かべてたぞ!?」
「あらあら? 気のせいですよ。えいっ♪」
「ほにゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」
……それじゃあ本編、開始。
機動戦士 ガンダム SEED
−次元の来訪者と呪われた証−
PHASE−29
『無常なる帰還』
がつんっ。と硬い金属が後ろ――正確には後頭部に当たり、
「ふもっ!?」
誰かが衝撃で倒れた。
「あらあら、そちらに言ったと仰いましたのに……」
おっとりとピンク色の髪の少女が手を口に当てて言う。倒れた誰かは現在進行形で上をぴょんぴょん跳ね回っている丸いボール状の物体を掴んだ。
「……ふもふ」
《ハロハロ! フモッフフモッフ!》
抗議の色を含んだ目をボール状の物体に向ける。するとぱっと手から離れ、ぴょんぴょんと中庭に突き出したテラスへ跳ねていく。
「ふも、ふもふも」
「『何で突撃してくるのを言わなかった』、ですか? いえ、私は確かに仰いましたけども……」
「もふ、ふもふもっふ」
「『これのせいで聞こえないんだよ。って言うかこれ解かせろ』? だめですよ、まだ傷がふさがってないのですから」
「もっふ! もっふもっふ!」(だからってこんなにする必要ねーだろ!)
「あら、すいません。何を仰っているのか聞き取れませんわ」
「ふも……」(ぢぐしょう……(涙))
「あっ、そうですわ。ピンクちゃんを探しにいきませんと」
そう言い、ピンク色の髪の少女はテラスに行ったピンク色の物体を追いかけていった。
「……ふも」(……はあ)
誰かはため息をつき、仰向けに体勢を変えると体をバネのようにして起き上がる。片腕は折れて、もう片腕はヒビが入っているため両腕で起き上がることが出来ない。
「お2人ともー、キラが目を覚ましましたよー」
おっとりとした声がテラスから聞こえた。それを聞き、誰かは『よーやくお目覚めか。あんの寝ぼすけ』と安堵すると、テラスへと足を運んだ。
「おや、彼が目を覚ましたのですね?」
テラスの中からマルキオの声が聞こえる。
「はい、マルキオさま」
「驚かれましたか? このような場所で」
「もっふー」
……なにやら、この場には不釣合いというか、異質な音をキラは聴いた気がした。
首を巡らせる。まず、ベッドの上にはラクスとよくいるピンク色のハロ。で、横に頭を向けるとラクスが微笑を浮かべ、その隣には黒髪の盲目の男性。
……で、その反対に――ミイラ男。
うん、何もない。別段普通の光け――
「ってお化けええええ!!!」
「ふもっふ!」
キラがミイラ男を再確認し、絶叫。その瞬間ミイラ男の手がキラの頭をはたいていた。
「ふもふもも! ふもっふも!」
「なに言ってるの!? 何でそんな不気味な姿で可愛らしい声なの!?」
「ふももー!!」
ふももー、と吠えるミイラ男。怒っているようだが、声のせいで怖くない。
「あらあら、お分かりになりませんか?」
「わからないよ! 僕ミイラと友達になったこともあったこともないし!」
さすがに起きたばかりでもツッコミのキレはある。スゴイよこのキラ・ヤマト! さし巣がコーディネイターの最高傑作!(ギン○ナ○風に)
「ふもふも、ふもっふもー」
「あらあら、仕方がありませんね。わかりました、外してもかまいませんよ」
「(スゴイ! ラクス意味わかるんだ!)」
おっとり天然系少女の意外な才能にキラは内心突っ込んだ。そんなキラをよそに、ミイラ男は頭にまかれた(たぶん2、3ロールくらい使っていそうな)包帯をするすると外していく。だんだんと露になっていく顔を見て、キラは唖然と口をあけていた。
「あー、しんどかったぁ」
開口一番、それだけで今まで味わった苦労がわかるほどに重たい言葉。紅い瞳、茶色に赤の混じった髪。キリッと整った顔だが、同時に少し阿保っぽい印象。
「ユウヤ!?」
「おーっす。よーやくおきたか、この寝ぼすけ」
「……の兄弟?」
スパンッ!
むしろ気持ちいいくらいにいいがキラの顔面から発生。ちなみに使用アイテム・包帯。発動方法・巻いていた包帯を重ね折り、全身全霊の力を込めて超スピードで腕を振るう。これだけ。柔らかい包帯でも重ねて厚みを増し、高速で振れば皮製ベルトでひっぱたいたような威力を発揮する。
「だ・れ・が・兄弟だ!」
「やっぱほんもの……」
「寝ぼけてるのか? そうか寝ぼけてるんだな? だからそんなボケが出せるんだな! この口かっ、くだらないボケを出すのはこの口かっ!」
「うぐぐぐぐっ! じ、じまるぅぅ!」
ぎゅ〜っと包帯で首絞めながら突っ込むユウヤ。良い子は真似しないでください。悪い子も真似しないでください。
「――というわけで、だ。ご親切なジャンク屋の一行さんが俺たちを助けてくれてああやってこうやって俺たちは今プラントにいるわけ」
「……ずいぶん飛ばしてるね」
キラはラクスたちからどういった経緯でこのクライン邸へ連れてこられたのか聞かされた。ユウヤも目覚めたときに説明されたようで、あっさりと話したが要点だけは的確に残している。
「ところでユウヤ、具合はいかがですか?」
「もーちょっと……だな。まったく、つくづくこの体は頑丈に出来てる」
自分自身に苦笑しながら、ユウヤはギプスで固められた右腕を少しだけ揺らした。
「……ところでよ、ラクス」
「はい?」
ラクスが首をかしげ聞き返した、まさにそのとき。
《ハロハロ!》
と脱力感濃縮還元100%のような声がユウヤの背後から聞こえ、スカーンと思いっきり痛そうな音を立てた。それに連動し、ユウヤの頭がぐわんと前にスライドする。
「どうにかしろよ! このハロすけども! なんだこいつら!? 俺に恨みでもあるのか!?」
ユウヤの足元にはおそらくクライン邸にあるハロの半分ほどが集まってた。それだけならまだいい。ハロハロうるさいのも我慢できる。だが、狙い済ましたように後頭部へタックルをかましてくるのはどういう了見だ!? はっきり言って金属の塊だから痛いんだよ!?
「それだけ、ユウヤのことをお好きなのですわ」
「好かれてるの!? これって好かれてるの!? あだっ!!」
突っ込んだそのとき、再び今度はネイビー色のハロが後頭部にタックル。予測も出来ないから回避できない。
「ほら、やっぱり」
「これのどこが好かれてるんだ……げふっ」
ユウヤ、撃沈。
「(けど……『まだ』いるのか)」
キラが横たわっているベッドに頭を埋めながら、ユウヤはポツリと思った。あれから、2日は経過している……期限から4日は過ぎている。なのに、自分はまだここにいる。なぜ?
「っ――」
また来た。あの眩暈が。そして以前にはなかった、微かな額の熱さ。だがそれも一瞬で終わる。
「ラクス」
「はい?」
「こういうの聞いちゃまずいんだろうけど――スピットブレイクまで、あとどれくらいだ?」
「ご存知なのですね」
「ああ」
意外にもラクスは、地球軍の所属――だったユウヤの口から、スピットブレイクの話が出ても驚かなかった。
「もう――まもなくです」
「……そう、か」
それっきり、ユウヤはその話題を口に出さなかった。
この世界にいる以上、選択を求められる。自分はどうするのか。
キラは再び、戦う道をとる。だが、自分は? もう――戦う目的も終えた。自分が戦う理由はない。
なら、アークエンジェルにいる彼らを見捨てる? すべてを知っているものからすれば――それは見殺しか。
また……戦うのか? どうやって?
いっその事、このプラントで静かに暮らすのもありだろう。虎は皮を残し、人は名を遺すと言うように、『ユウキ・ユウヤ』は土に還り『復讐貴』の名が残る。
もう、うんざりか? 人を殺すことは。
確かにこの世界には自らの意思で望んだ。けどそれは、よく考えれば憧れ。『現実』として受け止めていなかった。人を殺すのも、薄っぺらな覚悟の上に貼り付けただけ。
また普通の……自分がいた世界に戻る。
悪くないかもしれない。ロボットも遺伝子を弄くられた者もいない。普通の世界。自分にとってはあの場所が自分のいるべき世界なのかもしれない。
「(けど…なんでだよ)」
ギュッと、シーツを握り締める。
心の奥底で誰かが言った。
それでいいのか? と。
ハッ。これ以上何をさせろって言うんだ。まだ戦えって言うのか? 殺せって言うのか? 勘弁してくれ……もう、殺すのはリアの仇で最後にしたいんだ。
どうせ自分がいなくてもキラたちがうまくやる。最低限の手助けも残した。あとはもう、俺をほっといて勝手にドンパチしてくれ。
普通に生きて、暮らして、普通に死ぬ……それが最も難しく、最高の幸福だ。
逃げるのか?
どうするってんだよ。もっと人を殺し続けろって言うのか? もう人の命を奪うことなんてごめんだ。考えてみろよ? 俺ってもともと中学生だったんだぜ? それでもうウン十人も殺してるんだぜ? あの世界だったら無期懲役確定だろ。死なないだけまだましじゃないか。殺して死ぬより、何もしないで死ぬほうがマシだろ。
そう、俺は逃げるんじゃない……留まるんだ。この場に。逃げることもない、進むこともない。戦うこともない、何もすることもない。ただ留まる……ほかのやつらが進んでいくのを後ろから眺めて。
あー、やだやだ。さっさとでてけよお前。さっきからうっさくて仕方がないだろ。
「……ずいぶん、悩んでおられるようですね」
おっとりとしたラクスの声に、はっと顔を上げた。
「な、なにがだ?」
「戦う道をとるか、普通の道をとるか……どうすればいいのか、迷ってらっしゃるのではありませんか?」
ごまかす事が出来ない、鋭い指摘。まさか考えが読まれているとは思わず、ユウヤは意表を衝かれてはっとしたままラクスを見つめていた。
「なんだ? ラクスは『戦え』って言うのか?」
「いいえ。私は何もお答えできません。決めるのはすべて、あなたの心です」
「じゃあ簡単だ。『戦わない』それが俺の答えだ」
皮肉を込めた問いにラクスは表情を変えず、ただ当たり前のことを返した。その言葉にはっと鼻で笑い、自分の『答え』を出す。
「戦わない……の?」
どこかボーっとした様子で、キラは呟いた。
「ああ。俺の戦う理由はもう無い。目的が無いからだ」
「もく…てき」
「お前がアークエンジェルのみんなを守るって言う理由で残ったように、俺も復讐という理由でアークエンジェルに残って戦った。お前が親友のアスランと戦ったように、俺も親友だったカインと戦って。経緯はどうであれ、俺たちは人を殺して理由を叶えてきた。違うか?」
「……うん」
キラも異論は出ない。それはユウヤの言っていることが正しいから。
「俺はもう理由を果たした。じゃあ――お前はどうする?」
「ぼく……は」
ユウヤの問いの意味をかみ締めて、キラは呟く。だが答えは暗闇の中に紛れ、出てこなかった。
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それから何日か過ぎた。キラも自分で歩けるくらいには回復し、ユウヤもヒビが入っていた左腕は完治。右腕も日常生活では支障が無いが、大事をとってまだギプスを外していない。
キラは日がな遠くに見える海を眺めたり、ラクスたちとお茶を飲んだり、花の名前を教わったり、ユウヤから面白い話を聞いてすごしていた。
ユウヤはここを『楽園』と言っていた。キラも同じ考えだった。静かで美しく、ゆったりと時が流れる――
「不思議だな……」
「え?」
サンルームでお茶をしていた時、ガラスを叩く雨粒を見つめながら、ふと、キラは呟き、床に座り込み、ピンクのハロと戯れていたラクスが、顔を上げる。
「なんでぼくは……ここにいるんだろう」
突然、ふっと心に浮かんだ疑問だった。すると、ラクスは尋ねる。
「キラはどこにいたいのですか?」
問いかけられ、キラは雨のカーテンを透かして空を見上げる。灰色に煙った世界のように、彼の心の中も茫漠として自分でも捕らえられない。
「……わからない」
「ここはお嫌いですか?」
キラは振り返った。
「ここにいて……いいのかな」
「私は、『もちろん』とお答えしますけど」
自分でも迷いながら問いかけると、ラクスは花が咲いたように笑って答えた。
「ユウヤは、どこにいたいですか?」
「そう……だな。難しい問いだよ、それ」
クッキーをかじりながら、ユウヤはラクスの問いに答える。
「『自分はどこにいたいのだろうか?』なんて、考えてもわからない。むしろ考えたとき、『そこ』にいる自分は『ここにいていいのか?』なんて考えてしまう。結局、自分に合った場所は自分にしかわからないし、それが自分にとって正しいのかも自分の判断でしか決められないんだ」
「あなたらしい考えですわね。では、ユウヤはここがお嫌いなんですか?」
「嫌いじゃない。むしろ、こういう場所は好きだ。けど、悪い、俺には無理だ。苦手……って言うよりも、多分、資格が無い」
「それが、あなたの判断で?」
「ああ。これは満場一致でな。ここが楽園なら、俺は失楽園か」
「楽園にいる資格が無い……と?」
「そうだな。それは間違いない。ここは――あったかすぎる」
それは正直な気持ちだ。ここは居心地がいい。心が安らぐ。だが、自分には暖かすぎる場所だった。
「あなた方は『SEEDを持つもの』……故に自分の向かうべき場所、せねば成らぬ事は、やがて自ずと知れましょう」
「俺はSEEDなんて持ってないさ。自分でも良くわからない力だ」
深い声で発せられたマルキオの言葉を、自嘲するように笑いながらユウヤは否定した。
「SEED?」
「『Superior Evolutionary Element Distend−factor』……ずいぶん昔に学会で発表された、ヒトの認識力に関する研究さ。俺もそんなのがあった、って知ってるだけで詳しいことは知らない」
「へえ……やっぱり、ユウヤは物知りだね」
「知っててもその使い道を知らなかったら、ただの雑学だ。だから、俺の知っている知識も使い道が無いならただの雑学になる」
「ですが、多くの事を知っているというのはとてもいいことじゃありませんか?」
「そんなもの、かね……まあ、話を戻すと、お前はそのSEEDっつーものを持ってるんだ。噛み砕いて言えば、火事場の馬鹿力」
「あ……」
そう説明され、キラも思い当たる節があった。アークエンジェルが落とされそうになったとき、自分が死にそうになったとき、アスランと戦ったとき――どれもが突然、力が湧いてきて感覚が鋭敏になった気がした。
「SEEDって言うものは、いわば明鏡止水や無我の境地に達したものが得た悟りの力だろ。この場合先天資質……つまり、生まれ持って持っていた力だ」
「えっと……」
「つまり、相手の行動が読めるとか超能力みたいなものさ。もういいだろ、この話は。とにかくお前は妙な潜在能力を持っているって事だ」
そうして話を終わらせ、残っていたクッキーを口の中に放り込んだユウヤ。そのとき、サンルームのドアを開けてシーゲル・クラインが姿を見せた。すでにキラやユウヤも何度か会ったことがある。今は最高評議会議長の座を退き、アスランの父――パトリック・ザラに譲っている。
現在は政治的役職に就いていないというが、今もそれなりの影響力は持っている。だがそんなことを微塵にも感じさせない、穏やかな礼儀正しさで、彼はキラたちの体調がたずねた後、マルキオに向き直った。
「やはりダメですな。導師のシャトルでも、地球へ向かうものは現在すべて、発進許可は出せないということで……」
和平交渉は失敗に終わった。マルキオは仕方なく地球へ帰ろうとしたが、シャトルはオペレーション・スピットブレイクの影響で動かないらしい。
「それでは仕方がありませんね。子供たちは待っているでしょうが、ラクスとともにすごす時間が増えることはうれしい」
「私もうれしいですわ、導師様」
和やかな会話を、緊急のコール音が断ち切った。サンルームのガラスの一角が、モニター画面に切り替わる。
〈シーゲルさまに、アイリーン・カナーバさまより通信です〉
執事が恭しく告げ、モニターが外線通信に切り替わり、険しい表情の若い女性が映った。
〈シーゲル・クライン! 我々はザラに欺かれた!〉
挨拶も抜きにぶつけられた言葉に、シーゲルは驚いて身を乗り出す。
〈発動されたスピットブレイクの目標はパナマではない――〉
アイリーンの話を流して聞いていたユウヤ。だが、不意にいつか交わした約束の言葉が蘇る。
帰ってくると約束した……自分を待っていてくれるあの少女のことを。
戦禍に飲まれる……南洋の国で待つ少女を。
このまま何もしなければ……マユラは、どうなる?
――リア
その名を思い浮かべたとたん、突然怖気が走った。自分はこんなところで何をしている?
なぜ地球へ行かない。自分を待っているあの子が、戦いに巻き込まれ死ぬかもしれないのに。
死――そう、歴史どおりなら彼女も死ぬ。リアと、同じよう、に……?
「っ!」
それを思い浮かべた瞬間、心臓が氷の刃で貫かれたような衝撃が走った。
――彼女も死なすのか!? リアと同じように見殺しにするのか!? それでも俺は留まるのか!? この世界にいるなら何をすべきか、もう新たな理由があるはずだろう!!
〈――アラスカだ!〉
「なんだと!?」
思考の世界から抜け出した。だがあの感覚は胸に残っている。リアが死んでしまったときも感じたあの痛みが。
考えたときには、もう行動していた。
「今すぐスピットブレイクを中止させろ!」
シーゲルを押し退け、ユウヤはモニターに映るアイリーンに怒鳴った。
「ユウキ君!?」
〈な、なんだ君は!?〉
突然割り込んできたユウヤに、シーゲルもアイリーンもそろって驚く。しかしユウヤはそれを無視して怒鳴った。
「俺のことはどうでも良い! 良いから早くアラスカに向かった部隊を呼び戻せ! アラスカには……JOSH−Aの地下には、サイクロプスが仕掛けられているんだぞ!!」
ユウヤの言葉に、シーゲルとアイリーンは衝撃が走った。
「ほ、本当なのか!?」
「事実だ! しかもスピットブレイクの目標は事前に漏れていた! 今アラスカにいるのはユーラシアと一部の大西洋連邦……つまり、捨て駒なんだよ! アークエンジェルって極上のエサまでおいてな!!」
〈なんということを……!〉
サイクロプス……単眼の巨人の名を持ったそれは、強力なマイクロは発生装置だ。いわば電子レンジと同じもので……体内の60%を水分で占めている人間ながら一瞬にして過熱・沸騰して爆発する。
残虐性ならば核以上とも呼ばれる、地球軍、ザフトからも恐れられている大量破壊兵器だ。
「早くパトリック・ザラに報告しろ! このままじゃ、ザフトの部隊も壊滅するぞ!」
だがアイリーンは悔しさに唇をかみ締めている。それにユウヤはチッと舌打ちした。
「(あのバカだったら聞く耳持つはずが無いか……!)」
そもそも情報のソースが無い。でっち上げることも可能だろうが、それでも信憑性は薄い。
「(どうする!? どうやって地球まで行く!?)」
とてもではないが、通常のMSでは地球にたどり着くことなど出来ない。バッテリーも足りない上に、大気圏の摩擦熱で燃え尽きる。
――止むを得ないかっ!
今から自分が取ることは歴史を大きく捻じ曲げることだろう。だが、このままここで指を咥えて最悪の知らせを待つわけにも行かない!
「シーゲル・クライン! アイリーン・カナーバでもいい! 俺にX09Aを貸してくれ!」
「な!?」
〈なんだと!?〉
ユウヤの口から飛び出した言葉に、誰もが驚いた。
「な、なぜ君がX09Aを……『ジャスティス』のことを!?」
「X09Aじゃなくても構わない! X10A『フリーダム』でもいい……ともかく! 俺にXAナンバーの機体を貸してくれ!!」
深く頭を下げ、ユウヤは懇願した。シーゲルもアイリーンも、驚いた表情のまま当惑する。最重要機密事項を知っていると言うこともあるが、それを貸してくれ、など……。
するとユウヤは顔を上げ、震えているキラに詰め寄ると肩を掴んだ。
「キラ! お前もここにいて良いのか!? アラスカにはアークエンジェルがいるんだぞ! サイクロプスが起動したらマリューさんも、ムウさんも、サイもカズイもミリイも……全員死ぬんだぞ!?」
その言葉にはっとなり、キラはユウヤを見上げた。
「それをここで見ていて良いのか!? 見殺しにして良いのか!? 全員が沸騰してはらわたぶち撒けて蒸発していくのを! お前はここでただ黙って見過ごすのか!?」
キラに向かって放つユウヤの声は、悲鳴のようだった。なぜ知っているのかキラは知らない。だが彼の話を聞き、その光景が目に浮かんだ。
「あ、あぁ……あぁああ……!」
「……クソッ! こうなったら俺がX10Aに乗る! 乗ってアラスカまで行って、みんなを助ける!!」
「ぼ、ぼく、は……」
「行くのが怖いんだったらここで寝てろ! 中途半端な覚悟で来られても足手まといだ!!」
何か言いかけた言葉をユウヤは撥ね退けた。続いてキッとシーゲルとアイリーン、そしてラクスを見つめる。
「頼む! 俺にX10Aを……X09Aでもいいから貸してくれ!!!」
再び、深く頭を下げる。プライドなんかどうだっていい。あの場所へ行って、戦えるだけの剣と盾が手に入るなら――!
「お父様……」
〈シーゲル……〉
アイリーンと、ラクスの目がシーゲルに向けられる。シーゲルは目を閉じ、しばし考えたあと、目を開いた。
「……いいだろう」
〈っ! シーゲル・クライン……!〉
「だが、1つだけ聞かせてくれ。君はあれを使って、どうするつもりだ?」
アイリーンが驚くが、シーゲルは静かな声で、深い思慮を持った瞳で、シーゲルは問いかけた。
戦う……地球軍と? ザフトと? どちらでもない。今の自分にある戦う理由……それは、
「護るって決めた女の子を、護る為だ……! もう2度、過ちを繰り返さない!」
リアを見殺しにした。自分も行けば防げたはずなのにしなかった。もう、あのときの過ちは繰り返したくない……このままここにいて、マユラを見殺しになんてしたくない!
彼女を護る。たとえザフトが、地球軍が襲い掛かってきても、降りかかる火の粉を振り払う!
「そのために、地球軍やザフトと戦う、と?」
「……どっちもだ。地球軍もザフトも関係ない。彼女に降りかかる火の粉は、俺が防ぎ、振り払う!」
「そう、か……面白い答えだな、君は」
「女を護る。それ以上戦う理由がいるかよ?」
「なるほど、実に単純だ。それ以上の理由は後付にしか聞こえなくなる」
シーゲルはユウヤの問いに苦笑しながら返した。
「わかった。君にX09Aを……ジャスティスを託す」
笑みを浮かべてシーゲルは答えた。その答えにユウヤははっとなる。
「私だ。あそこに伝えてくれ。『正義の剣の持ち主を見つけ――』」
――そのとき、前触れも無く、『それ』は唐突に起きた。
ユウヤを中心とし、青白い光が円のように広がる。
「なっ!?」
それはユウヤも、誰もが驚いた。青白い光の円はユウヤだけを包むように展開し、光の粒子が中から湧き出す。
「な――なんだ、これ!?」
中にいたユウヤは何が起きているのか分からず、ただ足掻いた。
「ユウヤ!」
とっさにキラも立ち上がり、ユウヤを助けようとする。だが、光の端を境目にまるで見えない壁が妨げ、中のユウヤには届かない。
「な、なんだ、これは!?」
その場にいたシーゲルも、
「ユウヤ!?」
ラクスも、
「ど、どうしたというのだ!?」
モニターに映るアイリーンも、
「これは……いったい?」
目の見えぬマルキオも緊迫した空気が伝わった。
「クソッ! どうなってんだよこれ!」
いくら力を込めて叩いてみても、見えない壁は壊れることが無い。外側からもキラが叩くが、それでも壁は破れなかった。
「(この光……どこかで!?)」
下から放たれる青白い光に、ユウヤは記憶を辿った。この光には見覚えがある。そう、あれは確かオーヴァが……この世界へ行くための扉を開けたときに見た――
「転送……トランスポート!?」
「ユウヤ! 脱出してユウヤ!」
キラが境界を叩きながら叫んでいる。だが人間の力じゃどうにも出来ない。
「キラ! いいか、よく聞け! もうお前は答えを見つけている! だったら自分の出した答えに迷わず選んだ道を行け! それが俺の――」
だんだんとユウヤの姿が透けてくるのを、キラは呆然と見つめていた。
「最後の――アドバイスだ――!」
その言葉を最後に、ユウヤの姿は完全に見えなくなった。足元に広がっていた青白い光も消失し、サンルームには静寂だけが残される。
「消え…た?」
ややあって、我に返ったシーゲルが呟いた。
そう。消えた。唐突に、前触れも無く。
「ユ……ユウ、ヤ?」
名前を呼んでも、返事は返らない。どこにもいない。
「そ…そん、な」
キラは呆然と座り込んだ。
ユウヤが消えてしまった。青白い光に飲み込まれて。突然……に。
――もうお前は答えを見つけている! だったら自分の出した答えに迷わず選んだ道を行け!
消える間際に残された言葉が、耳に残っている。まるで前から分かっていたような口ぶり……。とっくの昔に選んでいた答えを、彼は知っていた。
「……行くよ」
「……どちらに行かれますの?」
無邪気に小首を傾げるラクスだが、それは質問、というよりも確認だった。後押しされ、その道への一歩を踏み出した彼への。
「地球へ……戻らなきゃ」
「なぜ? あなたお1人戻ったところで、戦いは終わりませんわ」
「でも、『何も出来ない』って言って、何もしなければ、もっと何も出来ない」
彼は静かな決意の中で、ラクスに答える。
「何も変わらない……何も終わらないから」
もう答えは見つけている。だったらその答えに迷わず、選んだ道を行け。
『約束の地』は、ここではないから――。
「また、ザフトと戦われるのですか?」
ラクスは穏やかな目でまっすぐキラを見つめ、問うた。しかし、キラは首を横に振る。
「では、地球軍と?」
彼はまた、被りを振った。
「ぼくは……何と戦わなきゃならないのか……少し、解った気がするから」
ラクスは初めて、僅かに目を見張った。
「わかりましたわ……」
キラの決意を確認したラクスは、こくんと頷いた。
「お父様、あちらに連絡をお願いできますか? ラクス・クラインが平和の歌を歌います……と」
シーゲルは僅かに目を見張り、しかししっかりと頷いた。
それから数分後、キラはラクスから渡されたザフトの赤服に身を包み、車のシートに収まっていた。
「あ、こうですからね。こう。ザフトの軍人さんのご挨拶は」
唐突にラクスは白い手を上げ、敬礼をしてみせる。キラはきょとんとしながら、それを真似た。
地球軍のやり方とは少し違うらしい。軍服や敬礼の仕方で、これから連れて行かれるのがどういう場所か、ぼんやりとわかった。
予想と違わず、車から降りて長いエレベーターで無重力の支点付近まで上昇し、ラクスが入っていったのは軍の施設らしいブロックだった。キラは何も聞かず、彼女に従う。途中何人かのザフト兵がすれ違ったが、ラクスがにっこりと笑いかけ、キラが教わったとおり敬礼すると、何も咎めるものも無く通り過ぎていった。
多分ラクスがVIPとみなされているために、キラは彼女を案内する係官と思われたのだろう。だが実際には逆で、キラはラクスについていくだけだったが。
また長いエレベーターに乗り、長い通路を進んだ先には、セキュリティチェックを必要とするらしいドアがあり、その前には2人を待ち構えていたように、2人の技官が控えている。
彼らはラクスが頷くと、正規のものか偽造したものか、キー・スリットにIDカードを通し、ドアを開けた。
ラクスとキラは足を止めることも無く、その奥へ進んだ。
そこは格納庫か何かの工場らしく、高さも床面積もかなり広大な空間だった。ライトが落とされているため見えはしないが、反響の具合でそうとわかる。
2人はキャットウォークの上を進み、ラクスがあるところで手すりを掴んで体を止めた。キラもその横に降り立つ。暗くてよくわからないが、何か巨大なものが目の前に――?
そのとき、急にライトが点灯し、目の前に浮かび上がったものに、キラは大きく息を呑んだ。
「ガン……ダム?」
眼前に佇むのはXナンバーに酷似したフォルムのMS……ディアクティブモードを思わせる鉄灰色、背中には巨大な翼がある。
「ちょっと違いますわね。これはZGMF−X10A『フリーダム』です。ユウヤの仰っていたX09Aとは、ZGMF−X09A『ジャスティス』……フリーダムの兄弟機ですわ」
ラクスの愛らしい声が答えた。
「でも……『ガンダム』の方が、強そうでいいですわね」
そして彼女は唖然と見開くキラに、無邪気な笑みを浮かべる。
「奪取した地球軍の性能をも取り込み、ザラ新議長の元開発された、ザフト軍の最新鋭の機体だそうですわ」
だからストライクとも似ているのだ。たぶんPSシステムや、小型ビーム兵器も導入されているのだろう。しかし、最新鋭機――と言うことは、ザフトでも極秘とされるものではないのか? それを知っていたユウヤはどうやって知ったのか……キラはただただ圧倒されながら、尋ねる。
「これを……なぜ、ぼくに?」
ラクスは、ごくあっさりと答えた。
「今のあなたには、必要な力と思いましたので」
彼女はふと、深いまなざしをキラに向ける。
「――思いだけでも……力だけでもだめなのです。だから……」
思いだけでは、何も変えられない。だが力だけでは、変えるべきものに気づけない。
「キラの願いに……行きたいと望む場所に、これは不要ですか?」
2人は静かに見つめあった。少女は微笑みながら、ただまっすぐにキラを見ている。その存在に、計り知れない意思を秘めて。
「……きみは、だれ?」
つい、そんな言葉が出た。
「わたくしは、ラクス・クラインですわ。キラ・ヤマト」
「……ありがとう」
パイロットスーツに着替えたキラの手を引き、ラクスはフリーダムの上に乗り移った。
胸部の上からハッチが開き、コックピットからシートがせり上がる。その前で不意にキラは気づき、問いかけた。
「大丈夫?」
考えてみれば、これはここに残るラクスにとって、非常に危険をはらんだ暴挙であることに気づいたのだ。国の重要機密を、もともとは敵の兵士だった人間に渡すなど。反逆に他ならない。
だが、ラクスは物柔らかな笑みを浮かべたまま、答えた。
「わたくしも歌いますから……平和の歌を」
キラは理解した。彼女もまた、歩みだすのだということを。
「……気をつけてね」
「ええ、キラも……」
ラクスはキラに身を寄せる。ふわ、とその笑みが近づき、柔らかな唇が頬に触れた。
「……わたくしの力もともに」
「うん……」
一瞬のキスの後、離れていく彼女を見送りながら、キラは微笑む。彼女がキラを信じたように、キラもラクスを信じていた。だから、与えられたものをただ受け取って、自分の信じるままに戦うことだけ考えることにした。
「では、いってらっしゃいませ」
最後にラクスは優雅に一礼し、キャットウォームに戻っていく。その姿を見送ったあと、キラはコックピットに入り、機体の電源を入れた。
駆動音とともにOSが立ち上がり、モニターにシステムが浮かび上がる。
Generation
Unsubdued
Nuclear
Drive
Assault
Module
キラの唇に、つい笑みが浮かんだ。これも『GUNDAM』だ。おそらく、拿捕した機体のOS名を見た技術者の誰かが、遊び心からでも名づけたのだろう。
全周囲モニターがオンになり、計器パネルに次々と光が入っていく。キラはすばやくスペックに目を通しながら、機体を立ち上げていった。
武装は頭部と肩にMMI−GAU2 ピクウス 76ミリ近接防御機関砲を2門ずつ、ようぶにMA−M01 ラケルタ ビームサーベルを2本と、MMI−M15 クスィフィアス レール砲を2門。バインダーウイングの中にM100 バラエーナ プラズマ収束ビーム砲を2門、右手にMA−M20 ルプス ビームライフル、左手にはラミネート対ビームシールド。そのすさまじい火力に、キラは驚いた。と、目を走らせていたキラは、ある1語に目を留めると息を呑む。
「Nジャマーキャンセラー……?」
ソノイミスルトコロヲ、キラは自然と理解した。この機体は核によって動いているのだ。もしこの技術が、地球軍の手に渡ったら――プラントは深刻な危機に陥る。血のバレンタインの繰り返しだ。
キラは改めて、自分が託されたものの重みを感じつつ、スロットルとレバーに手をかける。PSが起動し、白を基調としてボディは濃紺、翼は青に色づく。
〈誰だ貴様ら!? とまれ!!〉
管制官の怒鳴り声が聞こえるが、キラはそれを無視。
ドアのところに立っていたラクスが、微笑んで身を引き、ドアが閉まる。上方のエアロックハッチが次々と開いていき、星空が見える。
最高潮にまで達したバーニアスラスターが火を噴き、フリーダムは飛び上がる。ゲートを駆け抜け、宇宙へ飛び出したフリーダムはそのまま加速した。
プラントから遠ざかり、地球へ向かおうとするが、目の前に2機のジンが立ちふさがる。放たれる機銃をキラは悠々と避け、すれ違い様腰部のラケルタを目にも留まらぬ速さで抜き放ち、一閃。ジンの腕と頭を切り飛ばした。途中、地球から飛び立ったシャトルとすれ違ったが、キラは構わずそのまま加速する。
その舷窓には、驚きに目を見開いたカインとアスランの姿があった――。
次回予告:
ユウヤ(移動中「忙しい忙しい。あー忙しい忙しい! あーもう! 俺連続で移動しすぎだろうがーーー!」(すたこらとどっかへ
キラ「いやぁー、なんか最近「ぼく、出番減ってる?」って不安だったけど出て来て良かった良かった(笑)。え? でも次回でない? そ、そんなーーーー!」
アス「あー、次回、機動戦士ガンダムSEED 次元の来訪者と呪われた証 PHASE−30『TRUE−トゥルー−』……ジャスティス持っていかれなくて良かった」
キラ「ぼくもぼくも。下手したらユウヤがフリーダム、ぼくがジャスティスってなってたかもしれないし」
アス「カインとかは機体あって俺機体なくなって!? それからどうすればいいんだ!? そこで出番終了!? もう運命まで永久降板!?」
キラ「まあまあ、次は目明かし編なんだから」
アス「ひ○らし!? ちょ、何でお前バット持ってるんだ!?」
キラ「やだなぁ。護身用だよ、護身用」
アス「圭○!? K1くん!?」
キラ「いや、ほら。ユウヤのファイアボルトを打ち返して見事に場外ホームラン…って」
アス「その名のとおりファイヤーボール!?」
キラ「にしても、ユウヤ戻ってくる前に一戦やってくるってさ」
アス「そうなのか? キラみたいに、ジンとか」
キラ「考えてみてよアスラン。盗みに行くのに追っかけてきた相手がジン?」
アス「過去に似たようなことをした主人公がいた気が……」
キラ「あっちはお金目的だったけどね……でもアスラン、本当にわからないの? 君だって戦ったことがあるのに」
アス「追っかけてきた相手と?」
キラ「うん」
アス「まさか……俺がか?」
キラ「あー、惜しい。アスラン自身が、戦った相手ね。ぼくもアスランもどっちも1回は負けてる」
アス「……まさか、あいつ?」
キラ「うん。彼」
アス「ちょ、正気か!? しかも負けたときって言ったらあそこだろ!? 明らかにユウヤが不利だろ!」
キラ「『適当にダメージ与えて逃げる』って。2人相手にするの面倒だから」
アス「まあ……確かに、な」
キラ「で、下のガンダムがそのとき使うガンダムだって。1話限り、しかもほんの少しの間」
アス「同一……なんだけどなぁ」
ZGMF−X64S ジエンド ガンダム
全長:18.36m 重量:77.67t
装甲材質:VPS装甲
装甲色:白、黒、赤
動力:ハイパーデュートリオン
特殊装備:EXAM SYSTEM、デュートリオンビーム送電システム
パイロット:ユウキ・ユウヤ
武装:
側頭部 MMI−GAU26 17.5ミリCIWS×2
肩部 RQM−60Q フラッシュエッジ3 ビームブーメラン レムロビカンド×2
背部 MMI−710R レーザー対艦刀 エクスカリバー&カリバーン×2
左背部 M2555 高エネルギー圧縮プラズマ長射程砲 ヘルブレイズ×1
翼部 ガイアドラグーンシステム×4
・GDU−XG4 5連突撃ビーム機動砲(ビームエッジ装備タイプ)×2
・GDU−XG2 2連突撃ビーム機動砲(通常タイプ)×2
腕部 LXCU−K6E5 高周波電磁パルスネット シュラウド×2
腕部 MA−M951 スレイヤービームウィップ×2
手甲部 MX2351 ソリドゥス・フルゴール ビームシールド発生装置×2
掌底部 MMI−X340 パルマフィオキーナ 掌部ビーム砲×2
MA−BAR64/S 高エネルギーエリミネート・収束ビームライフル×1
機体設定:
ザフトが総力を結集して開発したセカンドシリーズの最新鋭機。X−666S、X−42Sの両方の特徴を持っており、遠距離射撃戦と近接格闘戦闘に優れる。
機体は高速機動連携攻撃と一撃必殺の破壊力を主眼に入れており汎用性が高く、高速で敵との間合いを持たせるためにほかの2機よりも高出力のスラスターを複数配置されている。
主な戦法は、遠距離での火器を使いつつ、背部の大型ウイングから噴出させられるミラージュコロイドによる立体残像(デスティニーのものと同型と思われる)でかく乱しながら一気に近づいて、豊富な近接装備で確実にしとめる。というのが主である。
また、各所にインパルスの面影が見えるのは、全ての装備が追加製造されたインパルス系列の運用データがベースだからである。近接格闘装備であるエクスカリバーがもっとも特徴的だが、実体剣としての強度不足を解消するために、レアメタルを使用し、強度を増すなどの強化も図られている。
そして、この最新鋭のセカンドシリーズでもっとも最強の威力を誇るプラズマ圧縮ビーム砲は、エネルギーを砲身の後部にある高性能冷却システムと大容量小型エネルギータンクの複合タンクから供給しており、小型でありながら、大容量のエネルギーを保持している。
ある程度のエネルギー調整が可能であり、威力を絞ってパワーパックのエネルギー残量の消費を抑えるなどの手段がある。(最大出力は内容量のエネルギーを一気に消費して撃ち出すため、半径300メートルもの巨大なエネルギーの渦が発射される。これを発射した後は高熱と磁場が発生するため、その絶大な破壊力を物語る)
掌のコネクタからの供給による発射も可能だが、いくら無尽蔵のHデュートリオンでもその消費量によってエネルギーをごっそり持っていかれるため、言わば最後の手段として使う。
さらに地上でも使用可能なドラグーンシステムの実験機が装備されており、レジェンドの物に比べると小型だが、オールレンジ攻撃を地上でも使えるという汎用性では引けを取っておらず、パイロットの技量によってはレジェンドを凌駕する。
アス「ってまんまブルーだな。また少し変わってるし」
キラ「『これが最終決定版。リンクを意識して手直しした』ってさ。あとパワーアップ版との差別を作るためにいろいろ変えたって」
アス「これでも十分に強いだろ……」
キラ「『この程度じゃ俺の相手は務まらない』ってユウヤ言ってた」
アス「あっちが行き過ぎなんだ。やりすぎた結果がエネルギー不足だぞ?」
キラ「解決するけどね」
アス「けど逆に行き過ぎている。あいつ極端すぎるぞ……ヴァンデッタもそうだったし」